朝比奈 隆 指揮
この1、2年くらいで気が付くことの一つにペットボトルや缶のウーロン茶が種類、量とも急に減ったというのがあります(そんな気がする)。去年は日本の烏龍茶とかいった銘柄が自販機にちょくちょく置いてあったのに、今年はそれも滅多に見なくなりました。頼みの綱?のI藤園でさえ、小型のペットボトル入りが稀に自販機に入れてあるくらいです。さして深刻なことでないから「だから何?」ということかもしれませんが、烏龍茶を暑いときにがぶ飲みするのが好きなので今年は大変物足らない夏でした。あと、国産の塩鮭、鯖もかなり減った気がします。
若杉弘のブルックナー第6番に続いて朝比奈隆です。朝比奈隆のブルックナー第6番のCDは現在のところ三種しかなく、これは大阪フィルとのジヤンジヤン全集(前衛小劇場「渋谷ジァン・ジァン」のオーナー高嶋氏が朝比奈のブルックナーに感銘を受けて全集レコード化を構想)に次ぐ二つ目の第6番です。最近朝比奈最晩年のベートーヴェンを聴いていたので今回のブルックナー第6番は意外にも速いテンポなのと、第1楽章なんとも滑らかに進んでいくのでちょっと驚きます。それでも低音の弦が分厚く響くのは朝比奈のブルックナーらしい内容でした。
朝比奈の第6番で新旧、1994年と1977年の合計時間が結構似ているのに対して、1984年の東京交響楽団とのライヴが1分強短いのはこの時期の特徴なのか、演奏頻度が高くない作品だから色々試しているのか。ところで東京交響楽団は漢字表記で東京都交響楽団と見間違えそうで、朝比奈のブルックナー録音ではどちらも共演しているのややこしい名前です。1946年に東宝交響楽団として発足し、東京交響楽団1951年改称しています。ウィキの解説には色々苦しい歴史が出てきますが。2002年から川崎市を本拠地にしています。東京都交響楽団の方は1964年の設立となっています。ちなみに東京フィルハーモニー交響楽団は日本最古のオケだそうで、さすが東京圏はオーケストラの質量ともに凄いものです。
オイゲン・ヨッフムによると交響曲第6番は第1楽章が既に最高潮となる内容で第2楽章までの内容に比べて第3、4楽章が弱点だそうでした。そういう指摘はシューベルトのピアノソナタについて村上春樹が小説の中で登場人物に言わせていることと少し似ています。もっともヨッフムは第6番の前半楽章の良さを強調しているようですが。ブルックナー党じゃない層が第6番はけっこう聴けると思う場合は、逆に後半が重くないことが理由の一つかなと自分の感じ方も含めてそう思いました。