raimund

新・今でもしぶとく聴いてます

フランコ・コレッリ

7 4月

レオンカヴァッロ 歌劇「道化師」 コレッリ、マタチッチ、スカラ座

160407レオンカヴァッロ 歌劇「道化師」

ロヴロ・フォン・マタチッチ 指揮
ミラノ・スカラ座管弦楽団
ミラノ・スカラ座合唱団

カニオ:フランコ・コレッリ(T)
ネッダ:ルシーン・アマーラ(S)
トニオ:ティート・ゴッビ(Br)
シルビオ:マリオ・ザナージ(Br)
ペッペ:マリオ・スピーナ(T)、他

(1960年7月 ミラノ・スカラ座 録音 EMI)

 先日のお昼に、伏見区で知らない名前のラーメン屋に入ったところかなり多いモヤシが乗って出てきて驚きました。あと麺がかなり太いタイプで、関西では珍しいタイプだったのでネットで調べると葛飾のラーメン大の京都唯一の支店でした。HPには「三回はお召し上がり下さい、本当のおいしさが発見できます」と書いてありました。最初の一口で、とか誇大なことを言わないのは感心で、実際に煮干し出汁のスープはじわじわとくせになりそうでした。近くに龍谷大学のキャンパスや青果市場があるから出店したのかもしれません。

 さて、このCDはマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」とレオンカヴァッロの「道化師」の二枚組で、道化師の方はマタチッチがスカラ座でオペラを指揮した珍しい全曲盤です。日本のブルヲタとか一定の層には指揮のマタチッチにまず関心がいきますが、この二枚組は両オペラで主役を歌うテノールのフランコ・コレッリです。

 フランコ・コレッリ(Franco Corelli 1921年4月8日 - 2003年10月29日)は日本にも熱烈なフアンが居るのでそのサイトも見たことがありました。 容姿共々に美しい声なのでデル・モナコの声質とはちょっと違います。この「道化師」は、間男のシルヴィオと妻のネッダを続けて公演中に殺す旅回り一座の座長、カニオ(テノール)役を歌うわけですが、コレッリはそんな激しい暴力的なキャラと重ならないのではという面があります。また一方で、若い嫁に白昼堂々と間男され続けるダメっぷり、「衣装を付けろ」のアリアのところでの泣きながら笑うような姿が声質、歌唱とマッチしそうな微妙な点があります。そんなプラスとマイナスが混じっているようでありながら、実際に聴いていると哀愁が漂って独特な悲劇感にあふれています。

 また、ネッダ役のソプラノ、ルシーン・アマーラの声が活き活きとして、時々癇に障るくらいで(カニオに肩入れすると)効果的です。彼女の名前はこの録音以外はちょっと思い出せないのが不思議なくらいです。冒頭のゴッピの口上も魅力的です。オーケストラの方はややこもり気味の音で、スカラ座のオケ、劇場の音ってこんな感じ?と、ちょっと微妙な印象です。それに演奏も今一つ緊迫感が感じられないようでちょっと物足らない気もしました。「道化師」の代表盤はデル・モナコのものがよく挙がり、有名ですがコレルッリのカニオも面白いと思います。
8 2月

ヴェルディのトロヴァトーレ コレッリ、シッパース、ローマ歌劇場

160208ヴェルディ 歌劇「トロヴァトーレ」

トマス・シッパース 指揮
ローマ国立歌劇場管弦楽団
ローマ国立歌劇場合唱団

マンリーコ:フランコ・コレッリ(T)
レオノーラ:ガブリエラ・トゥッチ(S)
ルーナ伯爵:ロバート・メリル(Br)
アズチェーナ:ジュリエッタ・シミオナート(Ms)
フェルランド:フェルッチョ・マッツォーリ(Bs)
イネス:ルチアーナ・モネタ(S)、他

(1964年 ローマ歌劇場 録音 EMI)

160208a  今朝は久しぶりに京阪電車で大阪方面へ向かったところ、快速急行は思った以上に空いていたので樟葉から座れました(乗車してダッシュすれば中書島からでも座れた)。淀屋橋方面への通勤時間帯のピークは外れているにしてもここまで空いているのはおかしいと思っていると、香里園、寝屋川市、守口市と昔の急行並みに停車して、急ぐ人は特急に乗るんだと納得しました。空いていて隣に座っている人とも隙間があったのでウォークマンを持ってくれば良かったと思っているうちに京橋に着きました。既に入試のシーズンに入っているので学生も少なくゲームの電子音やら携帯オーディオから漏れる音も無くて、この路線にしては稀な快適さの車内でした。

160208b イタリア、アンコーナ生まれのテノール 、フランコ・コレッリ(Franco Corelli, 1921年4月8日 - 2003年10月29日)はヴェルディのトロヴァトーレのマンリーコ役が有名でした。この録音はコレッリの声が好き嫌いがかなりはっきり分かれるため、好みに合う場合は同オペラのレコードには欠かせないものだと言われていました。また、それと同じくらいにメゾソプラノの役、アズチェーナのジュリエッタ・シミオナートが素晴らしいことでも定評がありました(彼女は他の録音でもアズチェーナを歌っている)。個人的には容姿も含めてガブリエラ・トゥッチ(Gabriella Tucci, 1929年8月4日 - )が好きで、あくが強い登場人物が並ぶこのオペラにあって、ほっとするような美声です。あと、ルーナ伯爵のロバート・メリル(Robert Merrill 1917年6月4日- 2004年10月23日)も上品で、マンリコーと対照的なのでキャスティングは声の質からしても絶妙なバランスじゃないかと思います。

160208c 旧EMI レーベルは1960年代にローマ歌劇場と主要なイタリアオペラを連続録音していて、トーマス・シッパース(Thomas Schippers 1930年3月9日 - 1977年12月16日)もその一環で何作か参加していてこの録音の際にはまだ34歳でした。それだけに奔流のように速めのテンポで通し、全体的に緊迫感があるのが魅力です。ただ、EMIのこのシリーズは音質の影響かオーケストラの演奏のためか、何となくざらっとして雑な印象を受けます。このトロヴァトーレももう少し優雅に、リズミカルだったらなお良いのにと思えます(第一幕の三重唱やそこまでの部分とか)。もっとも、コレッリのマンリーコを中心に考えればこれでこそ引き立っているのかもしれません。

 トロヴァトーレのCDでは、過去記事に取り上げたエレーデ指揮、ジュネーヴ大劇場O(デル・モナコ、テバルディ、ジュリエッタ・シミオナート、サヴァレーゼ)と、まだ取り上げていないカラヤン旧録音(スカラ座,ディ・ステファノ、マリア・カラス、フェドーラ・バルビエリ、パネライら)がかなり気に入っています。それらの録音は正直、物語の進行よりも歌、アリアや重唱の魅力に関心がいっていましたが、このシッバースとコレッリらのトロヴァトーレはより劇的で、悲劇の物語に集中させられます(気のせいか寒い時期に聴くと暖まる)。
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昭和40年代生まれ、オットー=クレンペラーの大フアンです。クレンペラーが録音を残したジャンルに加え、教会音楽、歌曲、オペラが好きなレパートリーです。

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