ロヴロ・フォン・マタチッチ 指揮
ミラノ・スカラ座管弦楽団
ミラノ・スカラ座合唱団
カニオ:フランコ・コレッリ(T)
ネッダ:ルシーン・アマーラ(S)
トニオ:ティート・ゴッビ(Br)
シルビオ:マリオ・ザナージ(Br)
シルビオ:マリオ・ザナージ(Br)
ペッペ:マリオ・スピーナ(T)、他
(1960年7月 ミラノ・スカラ座 録音 EMI)
先日のお昼に、伏見区で知らない名前のラーメン屋に入ったところかなり多いモヤシが乗って出てきて驚きました。あと麺がかなり太いタイプで、関西では珍しいタイプだったのでネットで調べると葛飾のラーメン大の京都唯一の支店でした。HPには「三回はお召し上がり下さい、本当のおいしさが発見できます」と書いてありました。最初の一口で、とか誇大なことを言わないのは感心で、実際に煮干し出汁のスープはじわじわとくせになりそうでした。近くに龍谷大学のキャンパスや青果市場があるから出店したのかもしれません。
さて、このCDはマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」とレオンカヴァッロの「道化師」の二枚組で、道化師の方はマタチッチがスカラ座でオペラを指揮した珍しい全曲盤です。日本のブルヲタとか一定の層には指揮のマタチッチにまず関心がいきますが、この二枚組は両オペラで主役を歌うテノールのフランコ・コレッリです。
フランコ・コレッリ(Franco Corelli 1921年4月8日 - 2003年10月29日)は日本にも熱烈なフアンが居るのでそのサイトも見たことがありました。 容姿共々に美しい声なのでデル・モナコの声質とはちょっと違います。この「道化師」は、間男のシルヴィオと妻のネッダを続けて公演中に殺す旅回り一座の座長、カニオ(テノール)役を歌うわけですが、コレッリはそんな激しい暴力的なキャラと重ならないのではという面があります。また一方で、若い嫁に白昼堂々と間男され続けるダメっぷり、「衣装を付けろ」のアリアのところでの泣きながら笑うような姿が声質、歌唱とマッチしそうな微妙な点があります。そんなプラスとマイナスが混じっているようでありながら、実際に聴いていると哀愁が漂って独特な悲劇感にあふれています。
また、ネッダ役のソプラノ、ルシーン・アマーラの声が活き活きとして、時々癇に障るくらいで(カニオに肩入れすると)効果的です。彼女の名前はこの録音以外はちょっと思い出せないのが不思議なくらいです。冒頭のゴッピの口上も魅力的です。オーケストラの方はややこもり気味の音で、スカラ座のオケ、劇場の音ってこんな感じ?と、ちょっと微妙な印象です。それに演奏も今一つ緊迫感が感じられないようでちょっと物足らない気もしました。「道化師」の代表盤はデル・モナコのものがよく挙がり、有名ですがコレルッリのカニオも面白いと思います。