200531bヘンデル 合奏協奏曲 作品6 第4番

オットー=クレンペラー 指揮
フィルハーモニア管弦楽団

(1956年3,5月 ロンドン,Abbey Road Studios 録音 EMI)

 あっという間になのか、マスクと手洗いに過敏になりながら五月が終わりました。先週に50個入りのマスクを初めてドラッグストアの店頭で見かけたので、第二派に備えて買っておきました。それ以降店頭に7個入り、10個入りパックが置いてある頻度が上がり、3月や4月のあの状態は何だったのかと思えます。ところで government of the people, by the people, for the people, (~続き shall not perish from the earth) というのは日本でも部分的に?有名な言葉ですが、ゲティスバーグ演説当時の正確な意味、真意等はともかくとして
 for the people” というのはなかなか難しく、平時では余慶を被って我々も“ for the people ”にあずかっているような気がしても非常時には権力を行使する側、統治側の本音が漏れてくるものだと今年はしみじみ思いました。それはそうと、先日オンライン申請して20日くらい経過した特別定額給付金の振り込みを確認しました。例えばコンビニで1円足らなくても売ってくれない世の中にあって、10マンもくれるのだから(マスクは未着だけれど)、とりあえず有り難いことだと思うことにしました。

200531a クレンペラーのバロック期作品の録音はごく限られていて、ヘンデルはメサイア全曲の他は合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)の作品6,第4番だけでした。今回改めて聴いたのは10インチ盤LPで片面に全部が収録され、残る一面はアイネ・クライネ・ナハトムジークです。ジャケットにはステレオと表記があるのみで詳しい録音データは載っていません。初めてCD化された際にはブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」、J.シュトラウスⅡ「皇帝円舞曲」、モーツァルトのセレナータ・ノットゥルナ、R.シュトラウスの交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
」と1枚のCDに収められています。

 メサイア全曲盤の序曲のような重厚な響きを念頭に置いているとだいぶ違い、編成を少なくしているようでかなり引き締まって聴こえます。先日のブランデンブルク協奏曲と似た内容だと思いました。特に第1曲目、第3曲目が感銘深くて、第4番以外も演奏、録音していればと思いました。ドイツ生まれで英国で活躍したヘンデルの境遇はクレンペラーとも重なるのでヘンデルに対する思い入れとかはどんなものだったかと思います。しかし、バッハの管弦楽組曲の演奏ではもっと壮大、深遠さを感じさせて、バロック期の作品だという枠組みをより逸脱・突破している風なのに比べるとこじんまりしています。

第4番イ短調 HWV 322
1.Larghetto affetuoso
2.Allegro
3.Largo, e piano
4.Allegro

 コンチェルト・グロッソ、合奏協奏曲といのはバロック期に作曲された形式、ジャンルで、トリオ・ソナタの楽器群とオーケストラが交互に演奏するものでした。
ヘンデルの合奏協奏曲は作品3の六曲、作品6の12曲の他、アレクサンダーの饗宴等何曲かあり、水上の音楽、王宮の花火の音楽らと共に代表作になっています。作品6の合奏協奏曲は1739年の10月に完成して、翌年に出版されました。4から6つの楽曲で一組になっていて、それが12セットあり、完成後徐々に初演されていきました。クレンペラーが何故ヘンデルの代表作として合奏協奏曲を選んだのか、それも作品6の4番だけに終わったのか、何かトラブルでも発生したから中断したのかちょっと気になります。