ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ 指揮
12月も一週間あまりが過ぎたので寒くなったのは当たり前だと思いながら、去年の今頃、ある土曜日に東寺(教王護国寺)のまわりを歩いていた時は風がもっと冷たかったのを思いだし、今のところ関西は暖冬傾向かと思っていました。今朝の朝刊一面に改憲を目指すという記事が出ていました。権力を行使する側が改憲に執着するのはちょっとあれだと思いながら、憲法が国家権力を縛るという考え方は古い、とか王政の頃の話だとか一部で言われていたことを思い出します。封建領主の時代だったらよと共に花見の宴をしようぞ、来い、と郷里の下々を招くことも別段不思議ではなかったことでしょう。
ヘンツェ(Hans Werner Henze, 1926年7月1日 - 2012年10月27日)はどういう作風だったか、滅多に聴いたことがない(ラジオでは聴いていたかもしれないが名前くらいしか覚えていない)のでよく分かりません。このブログでは主役であるオットー=クレンペラー絡みでは、クレンペラーが第二次大戦後に聴いていた現代音楽の作者の一人だったことが記憶に残っています。そヘンツェの十曲の交響曲をヤノフスキが録音していましたが、それ以外で全集はあったかどうかまだ確認できません。そんな中で作曲者自らがベルリン・フィルとロンドン交響楽団を指揮して第6番くらいまではセッション録音していました。第1-5番までがベルリン・フィルを指揮したもので、DGから二枚組のLPで発売されたものを先日入手しました。
作品がどうこうの前にゴツゴツとした低音の響き、感触が際立っていて、ドイツ系の作品といえば連想する要素の一つ(根拠無い先入観)だと思いつつ、先日のコンヴィチュニーのベートーヴェン以上にドイツが前面に出ているかもしれないと思いました。同じ作品でもヤノフスキとベルリンRSOの研磨されたような響きとはかなり違い、作曲者自演のこのLPは掘り出された原石の姿がまだ残っているといった感じです。そのためか、第二次大戦後間もない1947年に作曲された交響曲第1番がもう少し古い作品のような気がしました。
ヘンツェが二十歳の年に作曲した交響曲第1番は、後にピアノ、チェレスタ等を加えた1963年版に改作していて、この録音でもそちらを演奏しています(LPのジャケットにも表記があるし、ピアノがよく目立つからそうだと)。その後1991年にもさらに改変されているようですが、ヤノフスキのCDはそちらの方かもしれずCDを取り出して確かめようと思います。目下どこに置いたか思い出せずにいます。