raimund

新・今でもしぶとく聴いてます

ヴェルディのマクベス

14 10月

ヴェルディ「マクベス」 ラインスドルフ、メト・1959年

131014ヴェルディ 歌劇「マクベス」


エーリヒ・ラインスドルフ 指揮

メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱団


マクベス:レナード・ウォーレン(Br)
マクベス夫人:レオニー・リザネク(S)
バンクォー:ジェローム・ハインズ(Bs)
マクダフ:カルロ・ベルゴンツィ(T)
マクベス夫人侍女:(S)
マルコム(T)、他


(1959年2月 ニューヨーク,マンハッタン・センター 録音 RCA)


 父方の故郷の秋祭、「久世祭り」というのがあります。真庭市久世で10月24日から三日間行われ、だんじりと神輿が多数巡航します。一度も現地で見たことはなく、送られてきたビデオで見ただけですが、かなり盛大にやっています。久世の隣の津山もだんじりが巡航する「津山まつり」があります(これも知らなかったが、「岡山三大だんじり祭り」に数えられるらしい)。その秋祭りにつきものなのが「鯖寿司」で、そういえば故郷の鯖寿司自慢をよく聞かされました。現代ではスーパーで鯖寿司もパック詰めされて売っているので、有難味は薄れ切っています。
 

131014a ヴェルディのオペラ「マクベス」はリゴレットの三年前に作曲、初演されました。シェイクスピアの戯曲をもとにしていることもあって、中期の傑作群より前の作品でも注目してしまいます。このCDは古いメトロポリタン歌劇場のセッション録音です。左の写真は多分最初にCD化された時のパッケージのデザインだと思います。あるいはLPの時の写真も使われているかもしれません。それが上の写真のような超廉価盤として復刻されています。マクベスのセッション録音は1970年以降増えたので、ラインスドルフ盤は長らく代表的録音だったはずです。
 

 ウィーン生まれのユダヤ系指揮者ラインスドルフは、ヴェルディよりもワーグナー作品の方が本筋というイメージがありました(ローエングリン、ワルキューレを録音している)。マクベス夫人を歌うリザネクもワーグナー、R.シュトラウスが主なレパートリーでした。また、ジェローム・ハインズもバイロイトに何度か出演していました。こういうメンバーで録音したのも当時のマクベスというオペラのとらえ方を反映しています。
 

 このCDは過去に何度か記事投稿としながら、今一つピンと来ないようで後回しにしていました。作品自体もリゴレットやトロヴァトーレら程は親しみやすくなく、魅力を堪能するまでには至っていません。あらためて前回のフィッシャー・ディースカウが出演したガルデッリ盤の魅力を実感しました。

 このオペラは初演後の1865年に改訂されてパリで上演されましたが、初演に続いて改訂版の初演も大成功ではありませんでした。初演版はマクベスのモノローグで終わっていたということですが、そちらの方がマクベス夫妻に焦点が定まって効果的かもしれないと思います。

1 9月

フィッシャー・ディースカウのマクベス、ガルデッリ、LPO

ヴェルディ 歌劇「マクベス」

ランベルト・ガルデルリ 指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
アンブロジアン・オペラ合唱団
ワンズワース少年合唱団

マクベス:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
マクベス夫人:エレナ・スリオティス(S)
バンクォー:ニコライ・ギャウロフ(Bs)
マクベス夫人侍女:ヘレン・ローレンス(S)
マクダフ:ルチアーノ・パヴァロッティ(T)
マルコム:リッカルド・カッシネッリ(T、他

(1971年 ロンドン,キングスウェイホール 録音 DECCA)

130901 現在ドイツ国内のオペラハウスでヴェルディやプッチーニが上演される時は、完全に原語で行われているのか、ドイツ語で上演されることもあるのか統計的なものを見たことはありません。カラヤンが原語上演を推進したとかで、原語上演は広まっているはずだとは思います。フィッシャー・ディースカウがヴェルディの作品の録音に参加して、イタリア語で歌ったものはこのマクベスの他にファルスタッフやオテロ、リゴレット、椿姫、ドン・カルロが知られています。それぞれイタリアオペラ的ではない等の意見もあって賛否が入り混じっているようです。

 イタリア的でないかどうかは我々異文化圏の住人にはもとより分かり難いものですが、人物の性格的なものを表現するという点ではマクベスは特に注目する録音だと思います。フィッシャー・ディースカウのオペラのレパートリーでどれが一番とかはわかりませんが、マクベスも相当なものではないかと思いました。この録音は他にもギャウロフ、パヴァロッティといった大物の他、マクベス夫人のエレナ・スリオティスも注目です(録音は無いがもう少し古い60年代の方が良かったらしい)。この録音以後アバドやムーティが録音したので陰に隠れたような格好ですが、個人的にはこのCDが特に好きです。

 ヴェルディの「マクベス」は彼の10作品目のオペラで、1847年3月に作曲者自身の指揮によりフィレンツェで初演されました。後に大幅に改訂を加え、1865年パリで初演されています。また、マクベスはヴェルディによるシェイクスピア作品のオペラ化第一号でした。

 マクベス夫人は夫を焚付けて王を殺させるというのでオペラ・セリアのヒロインとはちょっと違った役です。ヴェルディ自身も上演に際してマクベス夫人について興味深い助言をしています。容姿は美しくない方が良い、声は美しくない方が良い(とげとげしく、低い声)というので、この役で評判をとるのは難しい上に、歌手としては複雑な心境だろうと思います。

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昭和40年代生まれ、オットー=クレンペラーの大フアンです。クレンペラーが録音を残したジャンルに加え、教会音楽、歌曲、オペラが好きなレパートリーです。

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