エーリヒ・ラインスドルフ 指揮
メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱団
マクベス:レナード・ウォーレン(Br)
マクベス夫人:レオニー・リザネク(S)
バンクォー:ジェローム・ハインズ(Bs)
マクダフ:カルロ・ベルゴンツィ(T)
マクベス夫人侍女:(S)
マルコム(T)、他
(1959年2月 ニューヨーク,マンハッタン・センター 録音 RCA)
父方の故郷の秋祭、「久世祭り」というのがあります。真庭市久世で10月24日から三日間行われ、だんじりと神輿が多数巡航します。一度も現地で見たことはなく、送られてきたビデオで見ただけですが、かなり盛大にやっています。久世の隣の津山もだんじりが巡航する「津山まつり」があります(これも知らなかったが、「岡山三大だんじり祭り」に数えられるらしい)。その秋祭りにつきものなのが「鯖寿司」で、そういえば故郷の鯖寿司自慢をよく聞かされました。現代ではスーパーで鯖寿司もパック詰めされて売っているので、有難味は薄れ切っています。
ヴェルディのオペラ「マクベス」はリゴレットの三年前に作曲、初演されました。シェイクスピアの戯曲をもとにしていることもあって、中期の傑作群より前の作品でも注目してしまいます。このCDは古いメトロポリタン歌劇場のセッション録音です。左の写真は多分最初にCD化された時のパッケージのデザインだと思います。あるいはLPの時の写真も使われているかもしれません。それが上の写真のような超廉価盤として復刻されています。マクベスのセッション録音は1970年以降増えたので、ラインスドルフ盤は長らく代表的録音だったはずです。
ウィーン生まれのユダヤ系指揮者ラインスドルフは、ヴェルディよりもワーグナー作品の方が本筋というイメージがありました(ローエングリン、ワルキューレを録音している)。マクベス夫人を歌うリザネクもワーグナー、R.シュトラウスが主なレパートリーでした。また、ジェローム・ハインズもバイロイトに何度か出演していました。こういうメンバーで録音したのも当時のマクベスというオペラのとらえ方を反映しています。
このCDは過去に何度か記事投稿としながら、今一つピンと来ないようで後回しにしていました。作品自体もリゴレットやトロヴァトーレら程は親しみやすくなく、魅力を堪能するまでには至っていません。あらためて前回のフィッシャー・ディースカウが出演したガルデッリ盤の魅力を実感しました。
このオペラは初演後の1865年に改訂されてパリで上演されましたが、初演に続いて改訂版の初演も大成功ではありませんでした。初演版はマクベスのモノローグで終わっていたということですが、そちらの方がマクベス夫妻に焦点が定まって効果的かもしれないと思います。