イヴァン・フィッシャー 指揮
ミクローシュ・ペレーニ:チェロ
(1987年12月28-30日 録音 キング/HUNGAROTON)
今週に入って期日前投票に行ってきました。開始時刻の30分前に着いて一番に投票しようかと思って待っていたら、茶を飲んでいる間に後続の人が既に並んでいました。それで定刻になると「10月22日投票の衆議院選挙の期日前投票を開始します(もっと細かい口上だったかも)」という宣言があり、投票に来た人も挨拶をして投票場所に進みました。たいていは夜に来ていたのでこういう風に厳粛に始まるとは知りませんでした。投票している時に自分が選挙権を得て初めて投票にした時はどんなだったかと振り返りました。平成二年の衆議院選挙はまだ中選挙区制だったので京都二区(京都市の一部と京都市以外の市町村全部)に複数の候補者が当選していました。トップは社会党の山中氏、二位が野中さんという懐かしい名前です。その前の昭和61年はトップが共産党の寺前氏、二位は野中さんですが、平成二年にトップだった社会党の山中氏は次点で落選していました。
このドヴォルザークのチェロ協奏曲のCDは国内の廉価盤が出るまで存在をよく知りませんでした(演奏者の名前はそれぞれ知っていた)が、この曲の新しい録音を探している内に見つけました。今世紀に入ってしばらくの頃、発作的にドヴォルザークのチェロ協奏曲が聴きたくなって店頭を探してもロストロポーヴィチのEMI盤しか見つからず、これだけの有名曲なのに案外CDは出ていないものだと思いました。その時はそれっきりになり、イヴァン・フィッシャーの指揮したCDを探している時にこれと再録音があることが分かり、旧録音の方は国内盤で出ているのが分かりました。
改めて聴いていると意外にこじんまりとして端正なチェロなので、ロストロポーヴィチとは対照的だと思いました。オーケストラの方は最近のI.フィッシャーの録音よりはおおらかな印象で、この曲らしい魅力があふれています。と言っても再録音の方は聴いたことが無いので分かりませんが、1960~70年代の有名録音より地味な演奏に親近感を覚えるのでこの録音はかなり気に入っています。ちなみに最新版の「名曲名盤500(レコード芸術編)」のドヴォルザークのチェロ協奏曲は第1位がフルニエ、セル、ベルリンPO(DG盤/1962年)、第2位はロストロポーヴィチ、カラヤン、ベルリンPO(DG盤/1968年)、第3位はデュ・プレ、バレンボイム、CSO(EMI盤/1970年)という結果で、ペレーニがソロのものはリストにも漏れていました。なお、ペレーニの方も二種(少なくとも)録音があって、これ以前の1976年にもオーベルフランク指揮、ブダペスト・フィルとこの曲を録音しています。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲は、アメリカ滞在時代の末期にチェロ奏者ハヌシュ・ヴィハーンからの依頼によって1894年11月から翌1895年2月にかけて作曲されました。初演は翌年の1896年3月19日、ロンドン・フィルハーモニック協会の演奏会で、レオ・スターンのチェロと作曲者に指揮によって行われました。委嘱者のヴィハーンはチェコでの初演で競演しました。第3楽章の中でチェロが弾く旋律に賛美歌やカトリック聖歌集にもある「飼いぬしわが主よ」に似たものがあり、原曲を引用したのかと思いましたがそういう解説はありません。そこにもあるいはアメリカ滞在中に聴いた音楽が反映されているのかもしれません。