ゲオルク・ショルティ 指揮
ミミ:モンセラート・カバリエ(S)
(1973年 ロンドン,ウォルサムストウ・タウン・ホール 録音 RCA)
昨夜ネット上でモンセラート・カバリェ(Montserrat Caballé 本名:Maria de Montserrat Viviana Concepción Caballé i Folc 1933年4月12日 - 2018年10月6日)の訃報を見つけて、まだ過去記事で扱っていなかったこのボエームのことを思い出しました。昼間に寝すぎたので日付が変わっても目がらんらんとして全く寝つけませんでしたが、ヘッドフォンで聴く気がしなかったので夜が明けてからのことにしました。朝刊(Y新聞)にも彼女の顔写真入りで訃報が載っていて、その写真がちょうどこのCDの頃の写真でした。連休中日なのに職場のメインで使うPCのSSD(ウィンドウズやソフトをインストールしている)を交換するのを先延ばしにしていたのを思い出し、ミサの後にSSDを買って事務所に行きました。
現在使用中のSSDをコピーしてクローンを作製して付け替えるだけの作業ですがそこそこ時間がかかることがあり、その間にカバリエのボエームを聴いていました。「カバリエの」と書きながら指揮はショルティであり、この時期にはワーグナー作品やマーラーにもかかっていたのでレコードに対する情熱が凄いと思いました。これはプッチーニの廉価箱に含まれているものですが購入動機にはカバリエが参加しているものが複数あったということもありました。ただ、このボエームはドミンゴが突出するというのか、ノートゥングを鍛えて飛び出しそうなロドルフォに聴こえて、ちょっとバランスが悪いようにも思いました。しかし逆にカバリエの歌唱が目立つとも言え、彼女のアリアだけでなく重唱部分も楽しめました。
これまでミミを歌ったソプラの中で一番人気があったのは誰かと思って色々思い起こすとフレーニとかテバルディの名前がワンパターンながら出てきて、「名曲名盤500(レコ芸編)」の最新版を見ると、やっぱりカラヤン(フレーニ、ベルリンPO,1972年)が21pと第1位、セラフィン(テバルディ、ローマ聖チェチーリア,1959年)が14pで第2位になっていました。カバリエを擁するこのショルティ盤は一応リストに挙がっていて1p獲得の第7位でした。ショルティ指揮のオーケストラは時々ワーグナー以上のごう音になり、これはレーベルの特徴なのかホールの音響なのか、ちょっと作品に合わない感じです。でも古いセラフィンのDECCA盤のオーケストラの音も似たようなところもあり、こんなものかもと思いました。それと同時に色々なオペラの中でカバリエが一番というような定評があったヒロインはどれだろうか思いながら、独特な声、歌唱のミミを聴いていました。
カバリエに関するニュースではなにか脱税の件があって妙に驚いたことがありました。彼女はカタルーニャのバルセロナ出身だそうで、別に経済的に困ってとかじゃなくカタルーニャ的な銭に細かい、せこい性質とか書いてあったヨタ話も見た覚えがあります。独立問題がクローズアップされているカタルーニャについて、スペイン独特のバルでは自分が頼んで食べたクシ(酒肴、焼き鳥等のクシ)の本数は自己申告が原則なのにバルセロナはそうじゃなくて店側が勘定するとして、マドリードをはじめ他の地域から揶揄されているとか。日本の某都市を中心にした地域に似た体質かなと親近半分、恥ずかしい半分ですが、カバリエの歌唱からはそんなネタは全く想像も付きませんでした。