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新・今でもしぶとく聴いてます

ブルックナーSym00

25 7月

ブルックナー交響曲00番 ヤング、ハンブルクPO

ブルックナー 交響曲  ヘ短調 WAB.99 第00番


シモーネ・ヤング 指揮
ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団


(2013年2月22-26日 ハンブルク,ライスハレ 録音  Oehms)

140725 今日の最高気温は36.8℃という今年最高を記録しました。どうりで暑いはず、ちょっと銀行に行って帰っただけで汗だくになり、夕方には床に寝転んでダウンしていました(それでも痩せない)。ごく短い時間眠った後、パソコンのHD交換の手配とサマー・ジャンボを買う(今日が最終日)のを思い出して出かけました。パーツショップでデータ移行(ドライヴコピー)まで頼もうとしましたが、その店で買ったPCでなくてリースPCだったので高くつくためHDだけ購入の上、自分で作業することにしました。それから近くの宝くじ売り場へ行って戻る時、同じ場所でくじを買おうとした同業者に偶然会いました。「キンキン キンヨウまで~泰造、踊れ!」のCMは効果てきめんのようで、その人も今日が締切だったのを思い出したようでした。宝くじはかつて、勤めていた会社を辞めた年に一回に9万円を投じたことがありましたが、米粒程も当たりませんでした。一等が当たる確率は200万分の1よりも低いそうなので、その程度の投資では仕方ありません。ただ、その時の発表時の挫折感と後悔の念が強く長らくくじは買っていませんでした。

 録音の数が少なかったブルックナーのStudiensinfonie、通称交響曲第00番でしたが、このところマルクス・ボッシュ、シモーネ・ヤングが続けて交響曲全集の一環として録音しました。ブルックナー全集の場合第1番から9番の九曲か、せいぜい第0番(第1番と2番の間に作曲されていた)を含むまでなので貴重です。それにシモーネ・ヤングの方は第2-5番、第8番の第1稿を録音してから滞りがちだったので、0番に続き00番まで録音したからには全集は最後まで完成させるはずです。

交響曲 ヘ短調 WAB.99

第1楽章:Allegro molto vivace
第2楽章:Andante molto
第3楽章:Scherzo: Schnell
第4楽章:Finale: Allegro

 比較的新しい第00番のCDは下記のような演奏時間で、主題反復や省略の関係でけっこう差が出ています。今回のヤング盤はフリーベルガーの録音と近似しています。演奏自体はことさらブルックナーの後年の作品の特徴を示そうとしないで、ごく自然に演奏しています。だから、マルクス・ボッシュの時もそうでしたが、シューベルトやメンデルスゾーンらの交響曲と似た響き、呼吸が感じられます。

ヤング(2013年)
①14分36②11分50③5分20④10分10 計41分56
ボッシュ(2012年)
①11分04②10分18③5分08④09分59 計36分29
スクロヴァチェフスキ(2001年)
①10分40②12分26③5分06④08分00 計36分12
ティントナー(1998年)
①11分21②12分31③5分05④08分13 計37分10
フリーベルガー(1997年)
①14分23②10分03③5分01④10分52 計40分19
インバル(1992年)
①17分21②13分03③5分22④10分11 計45分57

 この曲は1863年に作曲され、第1番(初期稿)が完成する三年前の作品でした。ブルックナーはこれを習作として破棄しなかった代わりに改訂もされませんでした。そのため作曲者の生前には演奏されることは無く、20世紀に入ってから何楽章かを分けて演奏されました。ブログを始めて以降何度か第00番を聴いていると、第1番との間には大きな飛躍のようなものがあるようで、ブルックナーが習作として別の扱いにしたのも頷けます。それでも若々しい魅力が感じられるので破棄されずに良かったと思います。

 シモーネ・ヤングはブルックナー・シリーズを進めながら、マーラーとブラームスも並行して録音し出しました。段々とどの作曲家が本筋なのか分からなくなってきました。とりあえずプーランクの「カルメル会修道女の対話」も演出共々感動的でした。

11 6月

ブルックナー交響曲00番 ボッシュ、アーヘン交響楽団

ブルックナー 交響曲 ヘ短調1863年稿・ノヴァーク版WAB99( 第00番「習作」 )


マルクス・ボッシュ 指揮

アーヘン交響楽団


(2012年5月26,28日 アーヘン,聖ミヒャエル教会 録音  Coviello)

140611 
 今晩の八時前に震度2~3の地震がありました。大した揺れではないものの、震源地が京都府南部というのがこわいところです。昨日店先に傘を置き忘れたのに盗まれなかったと讃嘆して記事に書いていたところ、今日どこかのポータルサイトに「なぜ日本ではビニール傘だけ盗まれるのか」という見出しの記事がありました。安いからよく置き忘れることからも分かるように「持ち主に思い入れが無い」から、拝借する方も罪悪感が無いと結論付けられていました。間の悪い、間の抜けた話だったと思いながら思い出していました。


 このCDはマルクス・ボッシュのブルクナー交響曲シリーズの最後のリリースで、0番と00番がカップリングされています。これに先行して全集がBOX化して出たので、あるいはそれを買わない限り0番と00番は入手出来ないのかと思いましたが、さすがにそこまでせこい商売ではありませんでした。そんなに気をもむ程この二曲に愛着は無くても、これらの録音が少ないことと、せっかく全集になっているのに欠けると気になるものです。それにボッシュのブルックナーは過去に何曲か取り上げてきましたが、初期作品がなかなか魅力的でした。


 このCDでもこれまでの曲と同じように、残響が大きな大聖堂で演奏しながら速目のテンポで演奏しています。しかし今回は残響があまり目立たないようで、それにかなり流麗なのでシューベルトやシューマンらの作品に近いという印象が強まります。ボッシュの演奏はブルックナー以外では
ヴェルディのレクイエムしか聴いたことがありませんが、もう少し古い時代の作品、小編成で演奏する作品も良さそうに思いました。それはともかく、この曲はブルックナー後年の大作のような壮大な祝典的な高揚は無いので我々一般人には真価、魅力がはかりがたいと思います。


交響曲ヘ短調

第1楽章 Allegro molto vivace
第2楽章 Andante
第3楽章 Scherzo Schnell
第4楽章 Finale:Allegro


 交響曲00番・ヘ短調もスケルツォ楽章があり、ここが一番ブルックナーの香りが濃厚です。比較的新しいこの曲の録音の演奏時間は下記の通りです。インバル盤がこれだけの長さなのは、例えばティントナーが行ったカットをしないで演奏しているからだとwikiの解説には書いてありました。そうだとすれば、それ以外の
フリーベルガーティントナー 、スクロヴァチェフスキもボッシュも何らかの省略を行っていると考えられます。


ボッシュ(2012年)

①11分04②10分18③5分08④09分59 計36分29
スクロヴァチェフスキ(2001年)
①10分40②12分26③5分06④08分00 計36分12
ティントナー(1998年)
①11分21②12分31③5分05④08分13 計37分10
フリーベルガー(1997年)
①14分23②10分03③5分01④10分52 計40分19
インバル(1992年)
①17分21②13分03③5分22④10分11 計45分57


 ちなみにこれもSACDであり、マルチ・チャンネルでも再生できるのでそちらで聴いていました。コントラバスの音等がよく聴こえ、この点はサブウーファーのおかげのようです(もっと音量を上げたいが仕方ない)。

23 8月

ブルックナー交響曲00番 シュレーグル国際音楽セミナー管

120823a ブルックナー 交響曲 ヘ短調1863年稿・ノヴァーク版WAB99( 第00番「習作」 )

ルペルト・ゴットフリート・フリーベルガー 指揮
シュレーグル国際音楽セミナー管弦楽団

(1997年4月30日,5月1日 シュレーグル,Stift教会 録音 Fabian Records )

 今日のお昼、京都市役前の所御池通を歩いていると今年初めて「つくつくほうし(セミの一種)」の鳴き声がきこえました。これまではクマゼミがうるさいくらいいっぱい鳴いていたのに、今日に限ってはツクツクホウシでした。二十四節気の処暑だから街路樹のせみも交替というわけではないでしょうが、とにかく珍しい鳴き声でした(本来は特に珍しい蝉でもないのだが)。ついでに、20年くらいまではよくきこえた「ニイニイせみ」もめっきり聞かなくなりました。

120823b  このCDは、以前バッハのマタイ受難曲やブルックナーのミサ曲第1番ヴィントハーク・ミサで取り上げたフリーベルガー指揮のブルックナーの習作交響曲・00番です。フリーベルガーはプレモントレ会シュレーグル修道院の参事会員にして音楽部門の責任者、カントルを務めています。シュレーグルは、オーストリアのオーバーエスターライヒ州(上オーストリア州)、ローアバッハ郡にある小さな町(州都リンツの南約40キロ位置します)。フリーベルガーはその修道会が運営するレーベル「 Fabian Records 」から他にオルガン独奏のアルバムも出しています。このようにフリーベルガーは宗教音楽とオルガンを活動の中心にしていることと、ブルックナーが地元の大作曲家という縁で自然とレパートリーに入っているのだと思います。

 ということで、ブルックナーの交響曲全集を録音する指揮者とは違った見方でこの習作交響曲を捉えているかもしれないという想像と期待もあります。ただ、教会堂で演奏、録音しているらしく特に金管が入ると残響が気になります。弦主体の時にはむしろ心地よく響いています。それにオーケストラが臨時編成のようなので、聴く人によっては粗も目立つのかもしれません。

フリーベルガー(1997年)
①14分23,②10分03,③5分01,④10分52 計40分19

インバル(1992年)
①17分21,②13分03,③5分22,④10分11 計45分57
ティントナー(1998年)
①11分21,②12分31,③5分05,④08分13 計37分10
スクロヴァチェフスキ(2001年)
①10分40,②12分26,③5分06,④08分00 計36分12

 そう多くは無い第00番のCDのトラックタイム・演奏時間を上記の通り列記しました。省略の問題等もあって一概に言えないものの、フリーベルガー盤の演奏時間は特異なものではありません。最初から通して聴いていると、シューマンの第2、第3交響曲を混ぜて編集したような音楽にきこえます。前半の二つの楽章は同じ場所で堂々巡りのような印象ながら、残響のおかげもあってすごく優美に響きます。後年の交響曲できかれるブルックナーらしさは目立ちません。これはフリーベルガーの志向するものなのかどうか。

 このCDは約15年前の録音で、いつ発売になったのか詳細は分かりません。あるいは話題になっていたものかもしれませんが、非常に新鮮にきこえます。フリーベルガーが他のブルックナーの交響曲を演奏、録音しているのか分かりませんがこれを聴く限り、少なくとも第2番くらいまでは是非聴きたいと思いました。

6 1月

ブルックナー 交響曲ヘ短調 00番 ティントナー RSN管

ブルックナー 交響曲 ヘ短調1863年稿・ノヴァーク版WAB99( 第00番「習作」 )

ゲオルク=ティントナー 指揮
Royal Scottish National Orchestraロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団)”

(1998年9月 グラスゴー、ヘンリーウッドホール録音 NAXOS)

120106  正月の三が日が過ぎても朝(夜は時間帯がまちまちで朝ほど集中しない)の通勤時間帯の幹線道路はまだ空いています。7日からの3連休も含めて正月休みという優雅な人が多いのか、普段より10~20分ははやく着きます。それだけで燃費計の数値もけっこう違います。まだ正月の空気の人ごみを見ていると、勤めて初めての正月明け、仕事初めの日のことを思い出しました。その年の1月4日は何か朝礼のような式典と乾杯だけで昼過ぎには帰れました。もう20年以上前のことで、今から思えばすごくのどかな話です。その日は午後から何名かで京阪特急で四条(現在は祇園四条と改名)まで来て、八坂神社へ行き、途中で蕎麦屋に入りました。酒呑みの人が熱燗をどうしても欲しいと言い出して、周りの反対をよそに強引に注文をしていたことまでは記憶に残っているものの、その先の神社でも様子は全く覚えていません(既に酔っぱらったのか)。

 ブルックナーの交響曲全集と言う場合、通常は第1番から第9番までの9曲か、せいぜい第1番と第2番の間に作曲された交響曲ニ短調・通称第0番を加えるくらいです。しかしインバルとフランクフルト放送交響楽団、スクロヴァチェフスキとザールブリュッケン放送交響楽団の全集には交響曲ヘ短調・通称「習作交響曲」又は00番が含まれていました。同様にティントナーが晩年にナクソス・レーベルへ録音した一連のブルックナーの交響曲シリーズにもこの曲が含まれていました。このCDは、交響曲第4番・1878年第2稿のためのフィナーレ「民衆の祭」を併せて収録しています(第4番の異稿はつくづく複雑だと思える)。

 ティントナー盤のブルックナー第00番は、聴いていると所々ブルックナーらしさが垣間見え、ウィキの解説にあるように成るほどフィナーレではシューマンの第3、4交響曲で聴き覚えたような部分が登場します。ティントナーのブルックナーは、あまり演出的な、強引なところが無いという定評ですが、この習作とされる交響曲では名演なのか、何とも分かりません。ティントナー自身はこの曲の価値を認めて、作曲者の師であったキツラー(ブルックナーと共にタンホイザーの研究をした)の評価に異議を唱えるほどです。ティントナーによるこのCDの演奏時間は以下の通りです。

①11分21,②12分31,③5分05,④8分13 計37分10

 この交響曲ヘ短調は1種類の稿、1863年稿しか無く改訂版は作られなかった。また、国際ブルックナー協会のハース校訂によるブルックナー全集の際にはこの曲は除かれたのでハース版も存在しない。従って目下1973年に出版されたノヴァーク版しか無く、出ている録音もおそらくノヴァーク版に拠っているはずである。下記はこの曲の他のCDの演奏時間ですが、今回のティントナ-と比べるとインバル盤が特に長くなっています。この演奏時間の差は、反復省略によるもののようです。これだけでもインバルの全集は画期的なものであることが分かります。

スクロヴァチェフスキ(2001年)
①10分40,②12分26,③5分06,④08分00 計36分12
フリーベルガー(1997年)
①14分23,②10分03,③5分01,④10分52 計40分19
インバル(1992年)
①17分21,②13分03,③5分22,④10分11 計45分57

 実はこの習作交響曲、手元にブルックナー全集のCDがあってもあまり聴いていなくて(ほとんど各1、2回程度)、今回聴き直すまでほとんど印象に残っていませんでした。改めて聴いてみると、これと比べて第1番は十分ブルックナーの交響曲だと言えると実感すると同時に、こちらの方も面白いと感じました。ヴィントハークのミサ曲等の初期作品、川の源流部よりも、水量を増した川のように見えます。

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昭和40年代生まれ、オットー=クレンペラーの大フアンです。クレンペラーが録音を残したジャンルに加え、教会音楽、歌曲、オペラが好きなレパートリーです。

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