ポール・パレー 指揮
昨日の朝八時前、職場近くを歩いていると朝から不快な暑さなのにどうも普段と違う気がしました。なんのことはない、クマ蝉が全く鳴いていないのでバスと車の音くらいしかきこえてこなかっただけでした。これは秋の気配と受け取ればよいのか、例年よりも早く地上に出て鳴きまくったからセミ一座もこの夏はこれで撤収なのか。どっちにしても台風20号が通り過ぎた後の猛暑日はいっそう身にこたえます。ただ、先月末に受けた半年毎の血液検査の結果を見ると諸々の数値が改善されて肝機能のGなんとかもあと一歩で正常域に戻ります。そんなはずは無いと思いながら原因を考えると、毎日納豆を食べている、昼はしっかり食べてその分夜は少な目、アイスの類は滅多に食べていない(暑すぎて飲料ばかりになったから)、くらいでした。
1953年録音のシューマンの交響曲、しかもアメリカのオーケストラとフランス出身の指揮者が演奏となると、今でこそ別に珍しくないとしても、これが新譜で発売された頃なら特に日本では購入意欲をあまり刺激しなかったことだと思います。これはタワーレコードの企画でCD化されたパレーとデトロイト交響楽団のシューマン交響曲全集です。ポール・パレーは個人的にかなり好きな指揮者の一人なので、「ポール・パレーの芸術」シリーズを思い出したように、時には「もういいかな」と放置しつつ、結局かなりを分売で購入していました。
トラックタイムは転記しませんがパレーの演奏は速目のテンポで進むことが多く、ちょっとシューリヒトに通じるところもありそうで、独墺系作品も魅力的だと思っています。個人的にはワーグナーの管弦楽曲集は蒸留したようでもワーグナーらしさも健在で、最初に聴いた時はかなり刺激的でした。そのワーグナーと同様にシューマンも、聴く前は多分違和感が大きいだろうと先入観に支配されて思っていましたが、実際に聴いてみるとそんなことはなくてその魅力にちょっと驚かされます。
どこが驚くような魅力なのか、説明できる能力が無いのがもどかしいところですが、例えばこのシューマン全集(と言ってもCD2枚組)が出てしばらくで交響曲第1番が絶賛(解説にそのように書いてあった)されたりしていたくらいなので、単に古い録音だけに興味を持つとかそんな層だけのものではないはずです。ベルリオーズの幻想とかでクレンペラーの録音と演奏時間を比べるとかなりの差が出て、自分はクレンペラー党なのに何故このタイプの演奏にも惹かれるのか?と思います。共通の魅力があるとすれば、幻想にせよ田園にせよ標題的なものに寄りかからないタイプの演奏、くらいかと思われて、雑に言えばパレーはクレンペラーが武装を解いて身軽になったよな姿といった印象です。