ウィルヘルム・バックハウス:ピアノ
いよいよ日中の最高気温が体温以上になる猛暑の日々がやってきました。朝の天気予報では屋外での運動は避けるように注意喚起されていました。そんな中、五輪の開会式に先立ち女子ソフトボールとサッカーの試合が始まりました。最近は地下鉄の車内アナウンスでも「安心安全」という語句を使っていて、それを言えば呪言のように何か効果があるのかと言いたくなってきます。夜になっても暑くて、高温のために蚊もとばないくらいです。ベートーヴェンの作品番号1は何だったか、エアコンを「切りタイマー」に設定しておいて寝て、タイマーが切れて間もなく目が覚めて寝付けない時にそれを考えていました。
たしかピアノ・ソナタでは無かったはずで、弦楽三重奏でもなくて、調べるとピアノ三重奏の第1番から第3番までが作品1-1、1-2、1-3になっていました。ピアノ・ソナタは第1番から第3までが作品2になっていました。それからピアニストでベートーヴェン弾きと言えばだれが思い浮かぶかと、誰にも問われないけれど考えてみるとなかなか決まらず、ピアノ・ソナタなら個人的にアニー・フィッシャーがまずベートーヴェンらしいという点で思い浮かびます。その次はアンドラーシュ・シフくらいで、あとはソナタ全曲を聴いたわけではないもののゲルバー、ギレリス、最近関心が増したアラウといったところです。
もっと古い世代で有名なのはバックハウスとケンプで、いよいよ梅雨が明けて酷暑になってテレビも面白くないので寝る直前に両者の旧全集でベートーヴェンのソナタをちょくちょく聴き出しています。両者ともステレオの再録音が有名ですが、特にバックハウスは旧録音も素晴らしいと思い、あえて言えば旧全集なら バックハウス > ケンプ じゃないかなと思いました(そう言えばウノ本でケンプよりもバックハウスと書いてあった かしら)。
ピアノソナタ作品2-1は1795年に完成して作品2-3までの三曲がハイドンに献呈されています。個人的には作品2-3が特に好きでしたが久しぶりに聴くとどれも魅力的だと思います。ベートーヴェンは1792年にウィーンでハイドンに師事していてハイドンんが1793年に英国から戻ると作品2のソナタの作曲を始めたようでした。ハイドン、モーツァルトのソナタが3楽章が多かった当時にどれも4楽章から構成されていて、既に独自の作風が出ています。バックハウスのモノラル録音の旧全集で聴くと第1番もマンハイム楽派、ハイドンらとは一線を画する内容というのが際立ってきます。