クリスティアン・ティーレマン 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
撮影監督:ブライアン・ラージ
(2008年12月 ウィーン,ムジークフェラインザール収録 C Major)
早々に桜は散ってしまい藤も終わりかけでツツジが満開というところで、新型コロナの感染者数は下火になっています(ゼロではない)。隣の府では人口に対する死亡者がかなり多かったことなんかはすっかり忘れられて、自治体の首長がよくやったと印象付けられています。京都市内では昨年10月に母を救急搬送してもらった際、まだ病院は野戦病院のような状態で、各患者全員について予後とかを考える余裕は無さそうでした。あの時点でもそんな惨状なので、医療崩壊ではないとかTVで口喧嘩していた頃だったら目も当てられなかっただろうと想像できます。刑務所を出所しても再犯で戻って来る率はそこそこあるわけですが、救急搬送して即座に送り出された場合でも短い間隔で再搬送されて来る、さらには棺で送り出されるケース、これを再何率と呼ぶのか、そういうのは結構あるだろうなとしみじみ思いました。
これは映像付きソフトとCDの両方で発売されたティーレマンとウィーン・フィルによるベートーヴェン・チクルスのライヴ収録の第1番・ブルーレイ盤です。ベートーヴェンの交響曲演奏は今世紀に入ってベーレンライター社から出版された原典版楽譜、ピリオド楽器、モダン・オケに一部その楽器や奏法、弦を取り入れるということが浸透しました。ティーレマンとウィーン・フィルのベートーヴェンはそれらの流れとは一線を画する演奏としても注目されました。なんだかんだ言っても14年以上前の演奏ということになりますが、値引き再発売の際に購入していたのを最近ようやく視聴し出しました。当初はCDにしておこうとして何曲か聴いたところ、どうも音が良くない、昔のようなセッション録音じゃないにしてもちょっとなあと思って継続を断念していました。今回はブルーレイソフトの方を2チャンネル音声で聴いてみるとなかなか良好で、すくなくとも最初のCDよりはかなり良さそうです。
画面には指揮台の正面奥にコントラバスが陣取り、ヴァイオリンが左右に分かれる配置です。今世紀に入ってから両翼対向配置をとる指揮者が結構あるようですが、ヴァイオリン以外の楽器の位置は結構違っています。このベートーヴェンは意外な程に重厚さが前面に出ず、各パートのバランス、優雅さが魅力的です。カラヤンやフルトヴェングラーよりもシューリヒトを少し思い出させました。第1番でもクレンペラー、セルあたりの1960年代のレコードならもっと重厚で堅固な響きを感じていたので、ティーレマンのベートーヴェンも復古的なものでもなさそうです。
更に意外だったのは第3楽章の速いテンポで、この楽章はピリオド楽器系の演奏に似たものを感じて、ここの印象は結構効いてくると思いました。ティーレマンのレコーディング・デビューだったフィルハーモニア管弦楽団とのベートーヴェン第5、第7番ではこういう傾向は無かったはずです。このブルーレイの最後のトラックには同じくウィーン・フィルとのエグモント序曲が入っていて、その指揮ぶりは出だしのところをやたら強調していて、そのあとはテンポを落として、後半との対比が鮮明になるようにしています。こういう計算、演出的なところがだんだん増してきているようで、バイロイト音楽祭の年末放送でも言及されていました(年々効果的になっていると)。
早々に桜は散ってしまい藤も終わりかけでツツジが満開というところで、新型コロナの感染者数は下火になっています(ゼロではない)。隣の府では人口に対する死亡者がかなり多かったことなんかはすっかり忘れられて、自治体の首長がよくやったと印象付けられています。京都市内では昨年10月に母を救急搬送してもらった際、まだ病院は野戦病院のような状態で、各患者全員について予後とかを考える余裕は無さそうでした。あの時点でもそんな惨状なので、医療崩壊ではないとかTVで口喧嘩していた頃だったら目も当てられなかっただろうと想像できます。刑務所を出所しても再犯で戻って来る率はそこそこあるわけですが、救急搬送して即座に送り出された場合でも短い間隔で再搬送されて来る、さらには棺で送り出されるケース、これを再何率と呼ぶのか、そういうのは結構あるだろうなとしみじみ思いました。
これは映像付きソフトとCDの両方で発売されたティーレマンとウィーン・フィルによるベートーヴェン・チクルスのライヴ収録の第1番・ブルーレイ盤です。ベートーヴェンの交響曲演奏は今世紀に入ってベーレンライター社から出版された原典版楽譜、ピリオド楽器、モダン・オケに一部その楽器や奏法、弦を取り入れるということが浸透しました。ティーレマンとウィーン・フィルのベートーヴェンはそれらの流れとは一線を画する演奏としても注目されました。なんだかんだ言っても14年以上前の演奏ということになりますが、値引き再発売の際に購入していたのを最近ようやく視聴し出しました。当初はCDにしておこうとして何曲か聴いたところ、どうも音が良くない、昔のようなセッション録音じゃないにしてもちょっとなあと思って継続を断念していました。今回はブルーレイソフトの方を2チャンネル音声で聴いてみるとなかなか良好で、すくなくとも最初のCDよりはかなり良さそうです。
画面には指揮台の正面奥にコントラバスが陣取り、ヴァイオリンが左右に分かれる配置です。今世紀に入ってから両翼対向配置をとる指揮者が結構あるようですが、ヴァイオリン以外の楽器の位置は結構違っています。このベートーヴェンは意外な程に重厚さが前面に出ず、各パートのバランス、優雅さが魅力的です。カラヤンやフルトヴェングラーよりもシューリヒトを少し思い出させました。第1番でもクレンペラー、セルあたりの1960年代のレコードならもっと重厚で堅固な響きを感じていたので、ティーレマンのベートーヴェンも復古的なものでもなさそうです。
更に意外だったのは第3楽章の速いテンポで、この楽章はピリオド楽器系の演奏に似たものを感じて、ここの印象は結構効いてくると思いました。ティーレマンのレコーディング・デビューだったフィルハーモニア管弦楽団とのベートーヴェン第5、第7番ではこういう傾向は無かったはずです。このブルーレイの最後のトラックには同じくウィーン・フィルとのエグモント序曲が入っていて、その指揮ぶりは出だしのところをやたら強調していて、そのあとはテンポを落として、後半との対比が鮮明になるようにしています。こういう計算、演出的なところがだんだん増してきているようで、バイロイト音楽祭の年末放送でも言及されていました(年々効果的になっていると)。