ヘルベルト・ブロムシュテット 指揮
(1981年9月7日-11日 ドレスデン,ルカ教会 録音 DENON)
先日の未完成交響曲の際にドレスデン時代のブロムシュテットのCDはシューベルトの他に持ってないと書いたしりから何か他にもあったはずだとすっきりしない気がしていました。しばらくしてブルックナーがあったじゃないかと思い出し、しかも第7番は過去記事で扱っていました。昨日の京都公演の記憶が薄まらない間に今回は残るブルックナー第4番を扱うことにしました。ちなみに今秋のバンベルクSOのアジアツアーの曲目は、ベートーベンのヴァイオリン協奏曲と交響曲第5番の他には未完成交響曲、ブルックナーの第7番、ベートーベンの田園、モーツァルトの交響曲第34番でした。どれも聴いてみたいところですが、関西は京都の1回のみの公演でした。
~ ブロムシュテットのブルックナー第4番
ブロムシュテットはブルックナーの交響曲第4番を三度録音していて、今回のものが初回録音にあたります。改めて聴いていると極度に威圧的だったり咆哮するような金管が目立つという風でなくて、何となく終始風流で、こじんまりした山荘か草庵に座っている心地に似ています。ライナーノートによると同コンビはこの録音の約二カ月前に来日して東京で同じ曲を演奏しています。実際に生で聴くのとは別だとしても、東京公演の「派手でうるさい」ような欠点が無くなっていると評されていますが、(その東京公演は聴いてないけれど)なるほどと思いました。特に第2楽章が魅力的で、第4番を聴いていると時々長いと思ってしまうのに(聴き手側に問題があるのだけれど)、今回はしみじみと感じ入りながら湯にでも浸かった感じで聴けました。
最近のブロムシュテットの指揮した演奏はドレスデン時代とかなり変わったかと想像していましたが、昨日のベートーベンを聴いた印象からも宗旨替えする程の激変ではなく、基本的には変わっていないのではないかと、あいまいながら思いました。このブルックナー第4番は三種の録音間で合計演奏時間が大きくは変わってなくて、初回録音を聴いていても通常言われる年齢とともに深化して云々という落差も特に感じませんでした(三度め録音の回に何と書いたか忘れたが)。
あと、稿・版についてですが、近年流行りの初期稿ではなくて広く普及している第2稿で演奏しています。第4番は初期稿と第2稿の違いは大きくて、半分は別物くらいの改訂ぶりです。そして版についてはCD付属冊子の表記はノヴァーク版ですが、 abruckner . com のディスコグラフィの分類上はハース版になっているのでそれにならいました。ブロムシュテットは第7番の場合でもノヴァーク版と言いながら部分的に違っていたり、独特のやり方なので今回の第4番もよくわかりません。