オトマール・スウィトナー 指揮
正月明けの1月5日頃、痰が絡んだような咳が出て、ついに来たかコロナ!、と思ったけれどいく日経っても平熱のままで、内科では発熱外来は不要、通常時間にどうぞと言われて非コロナの診断を受けましたが、念のため検査キットを買って試したらやはり陰性でした。精度の問題はあるとしても、一応は大丈夫のようです。ところで人手不足と言われて久しい介護福祉の分野では訪問入浴やヘルパー等はだいたい12月30日までで正月は4日から再開というスケジュールです。昨年一年間でつくづく実感したのは介護、医療共に人手、予算が全然充分じゃないのではということで、新型コロナの緊急事態宣言が出ていた期間はさらに過酷だったと思いました。一時期「医療崩壊じゃない」とか血相変えて言い争いしていたところがありましたが、正直、言葉、言い方で糊塗できるような話ではないでしょう。
気を取り直してモーツァルトのリンツ交響曲、このスウィトナーとSKDのSACDは先月に思い出したように購入して聴いていました。交響曲第28~36番と第39-41番をまとめた4枚組の3枚目にハフナー、リンツ、プラハが入っています。その3枚目の中で一番感慨深かったのがリンツでした。スウィトナーは1960年から1990年までと長きにわたってベルリン国立歌劇場の音楽監督を務めていました。その割にレコーディングしたオペラの全曲盤はそれ程多くは無くて、R.シュトラウスのサロメやモーツアルトの魔笛、後宮、コジ、フィガロ(独語歌唱)くらいです。そのモーツァルトはちょっと軽快過ぎるのじゃないかという印象がありましたが、少なくとも今回のリンツは絶妙に思えました。
絶妙だとか、そんなのは好み、主観そのものですが同じ一枚に入っているハフナーの方は速過ぎ、強弱アクセント強すぎと違和感を覚えたので、リンツはそんな印象じゃないのは確かです。リンツ交響曲は自分が中学生の頃にクレンペラーの一枚1500円のLPにハフナー交響曲とあわせて入っていたのを購入して聴いたのが最初の縁でした(それ以前にもFMラジオで聴いていたかもしれませんが)。その時の印象が後年まで影響しているのでしょう。ただ、スウィトナーの場合は聴いていて快適な心地だけれど、セレナーデとかの延長という印象はついて回ります(オペラも/それでいいか)。
作品解説によればハフナーよりも質の高い交響曲という位置付けのようですが、昔から個人的にはハフナーの方が好きでした。モーツァルトの6大交響曲と最近は言わないのか、地元のオーケストラの定期でもみかけなくなりました。それにしても老人介護食の残りを食べたりしていると、それに慣れて特に何が食べたいとかの意欲がどんどん薄れてきました。この年末年始、Kめだのカレーせん、Cルビーのポテチが妙に美味く感じました。