ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ 指揮
フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団
フィレンツェ五月音楽祭合唱団
ジョコンダ:アニタ・チェルクェッティ(S)
エンツォ:マリオ・デル・モナコ(T)
バルナバ:エットーレ・バスティアニーニ(Br)
ラウラ:ジュリエッタ・シミオナート(Ms)
アルヴィーゼ:チェーザレ・シエピ(Bs)
チェーカ:フランカ・サッキ(Ms)
ズアーネ:ジョルジョ・ジョルジェッティ(Br)
イゼポ:アトス・チェザリーニ(T)
水先案内人:グイド・パゼッラ(Bs)
歌手:エディオ・ペルッツィ(Br)
(1957年6月22日-7月6日 フィレンツェ 録音 DECCA)
「焼け棒杭に火が付く」という表現、どこかで見聞きした記憶(「のだめ」の魔笛上演編で出て来たか)はあるものの最近は、或いは実際に日常で使わない言葉かもしれません。元恋人との関係が再燃する場合をこう表現することが多かったようですが、そもそも木製の棒杭自体をあまり見かけなくなりました。先日の「カヴァレリア・ルスティカーナ」と今回の「ジョコンダ」も元恋人同士がぶり返すという展開は同じですが、カヴァレリアの方で命を落としたのは棒杭の当事者たる男性だったのに対して、ジョコンダは焼け棒杭じゃない方の女性、ジョコンダさんが自ら命を絶つという結末です。この辺りはトスカや蝶々さんと似ています。
ポンキエッリ(Amilcare Ponchielli 1834年8月31日 - 1886年1月17日)のオペラ「ジョコンダ」が初演されたのは1876年だったので、アンドレア・シェニエやカヴァレリア・ルスティカーナよりも二十年くらい古い作品になります。マスカーニ、プッチーニはミラノ音楽院でポンキエッリに師事したことがあったので二人ともポンキエッリの門下生ということになります。ポンキエッリは他にもオペラを作曲していますが有名なのはこの作品だけになっています。最近の「名曲名盤500」にはリストアップされていませんでしたが、1980年代の同企画にはたしかにリストに挙がっており、カラスのレコードの写真を何度も見た記憶が残っています。
このオペラ、ジョコンダで一番有名で大抵はどこかで耳にしたことがある部分は、第三幕第2場に管弦楽のみで演奏されるバレエの音楽「時の踊り」で、自分自身もテレビかラジオのCM、番組のテーマ曲になっていたようなおぼえがありました。管弦楽だけの楽曲も有名という点もカヴァレリアと共通する点です。この録音も豪華キャストですが、注目はジョコンダ役に30歳で引退したので幻のソプラノとも呼ばれたアニタ・チェルクェッティ(Anita Cerquetti 1931年4月13日 - 2014年10月11日)が登場しています。彼女が残したスタジオ録音はこの全曲盤とオペラ・アリア集の2点のみということですが、ウィキの記述によると彼女の真価を現わしているものではないとなっています。チェルクェッティで有名だった話として、1958年1月にローマ歌劇場の「ノルマ」第一幕でマリア・カラスが急にノルマ役をキャンセルしてしまった際に同じ頃ナポリ(サン・カルロ劇場)で同役を歌った彼女が代役を務め、成功をおさめたという劇的な事件がありました。
スタジオ録音では真価が分からないような評のようですがノルマでマリア・カラスの代役に指名されただけのことはる、強くて艶のある独特の声質で当時20代とは思えない貫禄が感じられます。恋敵(母の恩人でもある)を助けて最後は自害する激しい役柄にふさわしいものだと思います。シミオナート、デル・モナコ、バスティアーニも歌詞・対訳を見ながらじっくり聴きたいと思いました。なお、このジョコンダは先日のカヴァレリア・ルスティカーナの二カ月程前に同じ劇場、同じオーケストラで録音されたものでした。その割に音質もオーケストラもこちらの方が良いような気がしました。
「焼け棒杭に火が付く」という表現、どこかで見聞きした記憶(「のだめ」の魔笛上演編で出て来たか)はあるものの最近は、或いは実際に日常で使わない言葉かもしれません。元恋人との関係が再燃する場合をこう表現することが多かったようですが、そもそも木製の棒杭自体をあまり見かけなくなりました。先日の「カヴァレリア・ルスティカーナ」と今回の「ジョコンダ」も元恋人同士がぶり返すという展開は同じですが、カヴァレリアの方で命を落としたのは棒杭の当事者たる男性だったのに対して、ジョコンダは焼け棒杭じゃない方の女性、ジョコンダさんが自ら命を絶つという結末です。この辺りはトスカや蝶々さんと似ています。
ポンキエッリ(Amilcare Ponchielli 1834年8月31日 - 1886年1月17日)のオペラ「ジョコンダ」が初演されたのは1876年だったので、アンドレア・シェニエやカヴァレリア・ルスティカーナよりも二十年くらい古い作品になります。マスカーニ、プッチーニはミラノ音楽院でポンキエッリに師事したことがあったので二人ともポンキエッリの門下生ということになります。ポンキエッリは他にもオペラを作曲していますが有名なのはこの作品だけになっています。最近の「名曲名盤500」にはリストアップされていませんでしたが、1980年代の同企画にはたしかにリストに挙がっており、カラスのレコードの写真を何度も見た記憶が残っています。
このオペラ、ジョコンダで一番有名で大抵はどこかで耳にしたことがある部分は、第三幕第2場に管弦楽のみで演奏されるバレエの音楽「時の踊り」で、自分自身もテレビかラジオのCM、番組のテーマ曲になっていたようなおぼえがありました。管弦楽だけの楽曲も有名という点もカヴァレリアと共通する点です。この録音も豪華キャストですが、注目はジョコンダ役に30歳で引退したので幻のソプラノとも呼ばれたアニタ・チェルクェッティ(Anita Cerquetti 1931年4月13日 - 2014年10月11日)が登場しています。彼女が残したスタジオ録音はこの全曲盤とオペラ・アリア集の2点のみということですが、ウィキの記述によると彼女の真価を現わしているものではないとなっています。チェルクェッティで有名だった話として、1958年1月にローマ歌劇場の「ノルマ」第一幕でマリア・カラスが急にノルマ役をキャンセルしてしまった際に同じ頃ナポリ(サン・カルロ劇場)で同役を歌った彼女が代役を務め、成功をおさめたという劇的な事件がありました。
スタジオ録音では真価が分からないような評のようですがノルマでマリア・カラスの代役に指名されただけのことはる、強くて艶のある独特の声質で当時20代とは思えない貫禄が感じられます。恋敵(母の恩人でもある)を助けて最後は自害する激しい役柄にふさわしいものだと思います。シミオナート、デル・モナコ、バスティアーニも歌詞・対訳を見ながらじっくり聴きたいと思いました。なお、このジョコンダは先日のカヴァレリア・ルスティカーナの二カ月程前に同じ劇場、同じオーケストラで録音されたものでした。その割に音質もオーケストラもこちらの方が良いような気がしました。