210906bベートーヴェン 交響曲 第1番 ハ長調 Op.21

ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

(1961年12月27-28日 ベルリン、ダーレム・イエス・キリスト教会 録音 DG)

210906a 九月の三分の一が過ぎても日中は30℃を超えています。百人一首の歌の一つに「秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども~」というのがありましたが、そんな秋を感じさせる風はほとんど吹かず、やや気温が下がったので蚊とかゴキブリはかえって活性化しています。それとは関係なくこのところ、また結石、尿管結石の疼痛に見舞われました。内科医院へ行っても特効的な処置はないものの、ぶり返すので再診したところ、超音波で検査してもらいはっきり結石の在りかが分かり、石排出促進の薬を処方してもらいました(そんなのがあるなら先に~)。ところが痛みのためボーッとしていて一回に二錠服用するその薬を勘違いして三錠服用してしまって、結石排出が促進されたせいか急に石が動き(痛い部位がズリズリッと下に降りて来たような)、さらに猛烈に痛んでよだれが流れ出るくらいでした。峠を越すとだいぶ楽になりましたが油断はできません。

カラヤン・BPO/1961年
①09分30②5分49③3分55④5分40 計24分54
クリュイタンス・BPO/1958年
①09分32②6分05③3分27④6分01 計25分05
カラヤン・BPO/1984年
①10分09②6分09③3分56④5分53 計26分07
カラヤン・PO/1953年/キングスウェイホール
①07分31②6分15③3分44④5分40 計23分10
クレンペラー・PO/1957年/キングスウェイホール
①09分52②8分53③4分05④6分18 計29分08 

 ベルリン・フィルによるベートーヴェンの交響曲第1番を先日のクリュイタンスに続いてカラヤン二度目の全集(一度目はフィルハーモニアO)から聴きました。クリュイタンス指揮の第1番から約三年経過した1961年なので、第1楽章冒頭を聴いたところで似た響きかなと思いました。そりゃ同じオーケストラだからそうだとして、それでも聴いていくと今回のカラヤンの方が分厚い響きの上に、凝縮したようなまとまり、四つの楽章で一つの交響曲という統一感のようなもを意識させられます。

 自分がカラヤンのベートーヴェンを最初に聴いたの(第5、7、9あたりか)は多分1960年代の全集からですが、「カラヤンのベートーヴェン」と言えば1970年代の三度目全集の名声が高かったかもしれません。1960年代のものはベルリン・フィルが高いピッチで演奏していたとか、色々言われていたようです。先の感想に加えると、何となく息苦しさのようなもの、圧迫を早くも感じる気もして、その点では古いクリュイタンス盤の方が魅力的かなと思えます。

 それでも「ああ、ベートーヴェン」という単純な重みのようなものは今回の方がより感じられる気がします。こういう本場感というのか定番感のようなものを世代によって変わり、ピリオド奏法が普及した21世紀にあっては1960年代のカラヤン-BPOはだいぶ古いスタイルになるはずです。自分の場合1980年前後に聴いていて、これがベルリン・フィルのベートーヴェンかと感心しました。もっとも後にクレンペラーの全集を聴くことになり、カラヤンやフルトヴェングラーといったベルリン・フィルをしょっちゅう(首席とか監督とか)指揮した指揮者によるベートヴェンだけが独墺系の本流であったわけじゃないと思うようになりました。