210827 aベートーヴェン 交響曲 第1番 ハ長調 Op.21

カール・ベーム 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

(1972年9月 ウィーン,ムジークフェライン 録音 DG)

 またまた緊急事態宣言でアルコール類提供不可のため、夕方から閉まっている店が増えています。そんな感染蔓延のなか、夏の高校野球は辞退校を出しながらも何とか開催中で、京都府代表の京都国際高校が色々話題になっています。外国語・韓国語の校歌と言う点で好意的でない声がけっこう多いようですが、英語の歌詞を採用している大学もあるので別に騒ぐこともないと内心思っています。それはそれとして、二年生の二人の投手といい、サヨナラ勝といい、
試合内容が素晴らしい。それに主力の投手二は二年生なのであと二大会(次の選抜、夏)は進撃が続きそうです。

 ベートーヴェンの交響曲第1番はエロイカより前の作品ながら最初に聴いたのがクレンペラーのレコードだったこともあり、威容をほこる大作というイメージが自分の中に残っています。それから場合によっては坂道を自転車で下る時のような風を感じられる、そんな爽快さも感じられると思っていました(それが本来の魅力かどうかはともかく)。ユニバーサル・クラシックの2021年カレンダーでは8月がカール・ベーム(Karl Böhm 1894年8月28日 - 1981年8月14日)
なので今月は何となくベームが気になり、ウィーン・フィルとのベートーヴェンを聴いてみました。ウィーン・フィルとしては少し前にハンス・シュミット・イッセルシュテットと全曲録音したところなのに、またベームと同じベートーヴェンの交響曲を録音し出したのは何故かと昔から思っていました。

ベーム・VPO/1972年
①09分38②8分43③4分00④6分22 計28分43
シュミット・イッセルシュテットVPO/1968年
①10分11②6分44③3分53④6分11 計26分59
アバド・VPO/1988年
①09分22②8分35③3分48④5分49 計27分34

 改めて廉価盤CDで聴いてみると冒頭から緩いというか、暖かく明朗な雰囲気に包まれているので作品に対する個人的な先入観からは外れるタイプだと思い、それだけでなく同時期、同年代の独墺系の指揮者とも一味違う独特なものじゃないかと思いました。それに何となく長い、遅いという感覚が終始ついてまわり、もう少し前のベームの演奏とは違うような気もしました。直前にベルリン・フィルとのモーツァルトの交響曲第33番、34番を何度か聴いていたので、それらの硬質?で角張ったところもある演奏とはだいぶ違って聴こえました。
  
 同じウィーン・フィルとのベートーヴェン第1番ならH.シュミット・イッセルシュテットの方が普通というかしっくり来る気がしました。と言ってもそちらもセル、ライナーやクレンペラーあたりと比べるとどうも緩く感じられます。どちらにしても古い世代の演奏なので今更なことですが、京都市交響楽団の八月定期のプログラムを見ているとオール・モーツァルトで、交響曲第29番とピアノ協奏曲第27番、それからジュピター交響曲なので、1956年のモントルー・ヴヴェイ音楽祭の9月9日に行われたクレンペラーの公演と重なります(セレナーデ第13番が加わると同じになる)。コロナ禍の下で古典派の曲がプログラムに入る頻度が上がっているようなので、演奏も今後多様化するかどうか?というところです。