ルドルフ・モラルト 指揮
ウィーン交響楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団
フィオルディリージ:テレサ・シュティッヒ=ランダル(S)
ドラベルラ:イーラ・マラニウク(A)
デスピーナ:グラツィエッラ・シュッティ(S)
フェランド:ヴァルデマル・クメント(T)
グリエルモ:ヴァルター・ベリー(Br)
アルフォンソ:デジェー・エルンスター(Bs)
(1955年 ウィーン 録音 FHILIPS)
先日のある日(といってもかなり前になってしまった)、あるところを通り過ぎた際に何かが違うと思ったら、お地蔵さんかなにかの祠が無くなっているのに気が付きました。駐車場が閉鎖になっていたから何か建つのかと思っていたらコインパーキングになりました。滋賀、京都は夏に地蔵盆というのが盂蘭盆とは別に行われる習慣があって、お地蔵さんの祠かお堂のような小さなものがあちこちにありました。それを移転するにしてもどこが窓口、交渉相手だったのだろうと思い(まさか右傾化のノリで廃仏棄釈によってそのまま破却ということはないでしょう)ました。
このコジ・ファン・トゥッテはモーツァルト生誕200年のメモリアル年だった1956年に向けて旧フィリップス・レーベルが制作したオペラ全曲盤のシリーズの一つでした。フィガロはベーム、ドン・ジョヴァンニとコジがモラルトの指揮で、オーケストラはウィーン交響楽団です。DECCAがウィーン・フィルと同じようにオペラの全曲盤を揃えてきていたので、歌手も重ならないように当時のウィーンで活躍した顔ぶれを集めています。デッカの全曲盤に対してこちたフィリップスの方は地味な評判だったのか、レーベルが吸収されたせいかCD化も遅れたり廉価シリーズのみでした。中でもコジ・ファン・トゥッテは新譜当時の評判が割れたのか、CD化されたかどうかも未確認でしたが、最近になって何種かCDになっていたのが分かりました。今回はLPの再発売版が入手できたのでようやく聴くことができました(初期盤は高価)。
LPで聴いてみるとなかなか良くて、同じモラルト指揮のドン・ジョヴァンニよりもオーケストラ演奏が素晴らしい気がしました。軽快というテンポではないものの歌手のアンサンブル、バランスが良くて舞台の映像が目のまえに無くても作品の世界が広がるような心地です。女声は原作、台本のイメージからすればちょっと歳が上かなという印象ですが、味わいがあり、好印象です。新譜当時の評がネット上に出ていましたが、結構辛口で各人物のアリアが十分性格を表していないという論調でした。
そこのところは良く分かりませんが当時のウィーンで活躍した歌手、モラルトらによる全曲盤(省略された楽曲はある)なので貴重です。ところで同じく1950年代前半にグイド・カンテルリとスカラ座によるコジの全曲盤があり、CDの時代ではそちらの方が有名ですが、このモラルトとはかなり違い、軽快なテンポで駆け抜けるような演奏でした。そのスタイルを念頭に置くとモラルトの方は鈍重となり、作品の世界とは異質ということになるかもしれません。ただ、モーツァルト=独墺系、という感覚からすればむしろカンテルリ-スカラ座の方が異質のような気がします。
先日のある日(といってもかなり前になってしまった)、あるところを通り過ぎた際に何かが違うと思ったら、お地蔵さんかなにかの祠が無くなっているのに気が付きました。駐車場が閉鎖になっていたから何か建つのかと思っていたらコインパーキングになりました。滋賀、京都は夏に地蔵盆というのが盂蘭盆とは別に行われる習慣があって、お地蔵さんの祠かお堂のような小さなものがあちこちにありました。それを移転するにしてもどこが窓口、交渉相手だったのだろうと思い(まさか右傾化のノリで廃仏棄釈によってそのまま破却ということはないでしょう)ました。
このコジ・ファン・トゥッテはモーツァルト生誕200年のメモリアル年だった1956年に向けて旧フィリップス・レーベルが制作したオペラ全曲盤のシリーズの一つでした。フィガロはベーム、ドン・ジョヴァンニとコジがモラルトの指揮で、オーケストラはウィーン交響楽団です。DECCAがウィーン・フィルと同じようにオペラの全曲盤を揃えてきていたので、歌手も重ならないように当時のウィーンで活躍した顔ぶれを集めています。デッカの全曲盤に対してこちたフィリップスの方は地味な評判だったのか、レーベルが吸収されたせいかCD化も遅れたり廉価シリーズのみでした。中でもコジ・ファン・トゥッテは新譜当時の評判が割れたのか、CD化されたかどうかも未確認でしたが、最近になって何種かCDになっていたのが分かりました。今回はLPの再発売版が入手できたのでようやく聴くことができました(初期盤は高価)。
LPで聴いてみるとなかなか良くて、同じモラルト指揮のドン・ジョヴァンニよりもオーケストラ演奏が素晴らしい気がしました。軽快というテンポではないものの歌手のアンサンブル、バランスが良くて舞台の映像が目のまえに無くても作品の世界が広がるような心地です。女声は原作、台本のイメージからすればちょっと歳が上かなという印象ですが、味わいがあり、好印象です。新譜当時の評がネット上に出ていましたが、結構辛口で各人物のアリアが十分性格を表していないという論調でした。
そこのところは良く分かりませんが当時のウィーンで活躍した歌手、モラルトらによる全曲盤(省略された楽曲はある)なので貴重です。ところで同じく1950年代前半にグイド・カンテルリとスカラ座によるコジの全曲盤があり、CDの時代ではそちらの方が有名ですが、このモラルトとはかなり違い、軽快なテンポで駆け抜けるような演奏でした。そのスタイルを念頭に置くとモラルトの方は鈍重となり、作品の世界とは異質ということになるかもしれません。ただ、モーツァルト=独墺系、という感覚からすればむしろカンテルリ-スカラ座の方が異質のような気がします。