サー・エードリアン・ボールト 指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
(1971年3月 ロンドン,キングズウェイ・ホール 録音 EMI)
今年も十一月に入ろうとしています。先日NHK・FMの「きらクラ!」で俳句の季語としてブラームスは秋の季語にふさわしいといリスナーからのお便りがあり、作品によっては確かにそれは当てはまる気がしました。個人的にはクラリネット五重奏曲なんかは特にぴったりすると思いながら、過去に十一月に初めてその作品のLPを購入した作品を思い起こすとそれらは必ずしも季語に使えないと思いました。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3」、モーツァルトのレクイエム(レコードは買っていないけど)、ワーグナーの指環四部作(バイロイト/ベーム)がそうでしたが、ワーグナーは一番季節感が乏しい気がします。
10月に入ってリマスターされたSACD仕様のエードリアン・ボールト(Sir Adrian Cedric Boult 1889年4月8日 - 1983年2月22日)のブラームスを聴いて、それが予想以上に素晴らしくて、同じくボールトのヴォーン・ウィリアムスの交響曲再録音も聴いていました。ボールトはヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams 1872年10月12日-1958年8月26日)の交響曲第4番、第6番の初演をBBC交響楽団を指揮して行っています。また、1920年にロンドン交響曲を演奏(初演時の稿とは違うらしい)にも関わったとプロフィールに出てきます。だから単に交響曲全集を二度録音、完結しているだけでなく、作曲者の生前から交流、関わりがあったのでボールトのヴォーン・ウィリアムズも注目のレパートリーです。
ヴォーン・ウィリアムズの二番目の交響曲、「ロンドン交響曲」は第一次大戦の開戦直前の1912年から1913年にかけて作曲されました。この大戦の前後でウィーンも大きく変わってしまったとされて(クレンペラーもそのように回想している)いるので、ロンドンも飛行船による爆撃もあって荒廃した以上の変化もあったと想像できます。そのことはさて置くとして、ロンドン交響曲は昔のロンドンに基づいているので「絶対音楽 = 交響曲」だとしても何らかの風情が感じられると思います。
前回の「海の交響曲」と同じようにこの「ロンドン交響曲」も過去記事で取り上げたCD以上にオーケストラよく鳴って、独特の大らかさで響いています。ロンドンは20世紀末にチョロっと一度立ち寄っただけで住んだことはないけれども、タイトルにふさわしい内容の作品だと何となく感じられます。これまで聴いたみてボールトのヴォーン・ウィリアムズは第一作目から三作目の「田園交響曲」までが特に素晴らしいと思いました(ちなみブルックナーの交響曲群は全く異次元の世界に感じられる)。
今年も十一月に入ろうとしています。先日NHK・FMの「きらクラ!」で俳句の季語としてブラームスは秋の季語にふさわしいといリスナーからのお便りがあり、作品によっては確かにそれは当てはまる気がしました。個人的にはクラリネット五重奏曲なんかは特にぴったりすると思いながら、過去に十一月に初めてその作品のLPを購入した作品を思い起こすとそれらは必ずしも季語に使えないと思いました。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3」、モーツァルトのレクイエム(レコードは買っていないけど)、ワーグナーの指環四部作(バイロイト/ベーム)がそうでしたが、ワーグナーは一番季節感が乏しい気がします。
10月に入ってリマスターされたSACD仕様のエードリアン・ボールト(Sir Adrian Cedric Boult 1889年4月8日 - 1983年2月22日)のブラームスを聴いて、それが予想以上に素晴らしくて、同じくボールトのヴォーン・ウィリアムスの交響曲再録音も聴いていました。ボールトはヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams 1872年10月12日-1958年8月26日)の交響曲第4番、第6番の初演をBBC交響楽団を指揮して行っています。また、1920年にロンドン交響曲を演奏(初演時の稿とは違うらしい)にも関わったとプロフィールに出てきます。だから単に交響曲全集を二度録音、完結しているだけでなく、作曲者の生前から交流、関わりがあったのでボールトのヴォーン・ウィリアムズも注目のレパートリーです。
ヴォーン・ウィリアムズの二番目の交響曲、「ロンドン交響曲」は第一次大戦の開戦直前の1912年から1913年にかけて作曲されました。この大戦の前後でウィーンも大きく変わってしまったとされて(クレンペラーもそのように回想している)いるので、ロンドンも飛行船による爆撃もあって荒廃した以上の変化もあったと想像できます。そのことはさて置くとして、ロンドン交響曲は昔のロンドンに基づいているので「絶対音楽 = 交響曲」だとしても何らかの風情が感じられると思います。
前回の「海の交響曲」と同じようにこの「ロンドン交響曲」も過去記事で取り上げたCD以上にオーケストラよく鳴って、独特の大らかさで響いています。ロンドンは20世紀末にチョロっと一度立ち寄っただけで住んだことはないけれども、タイトルにふさわしい内容の作品だと何となく感じられます。これまで聴いたみてボールトのヴォーン・ウィリアムズは第一作目から三作目の「田園交響曲」までが特に素晴らしいと思いました(ちなみブルックナーの交響曲群は全く異次元の世界に感じられる)。