ヨーゼフ・カイルベルト 指揮
バイロイト祝祭管弦楽団
ジークフリート:ヴォルフガング・ヴィントガッセン
ブリュンヒルデ:マルタ・メードル
さすらい人:ハンス・ホッター
ミーメ:パウル・キューン
アルベリッヒ:グスタフ・ナイトリンガー
ファフナー:ヨーゼフ・グラインドル
エルダ:マリア・フォン・イロスファイ
森の小鳥:リタ・シュトライヒ
(1953年7月28日 バイロイト祝祭劇場 ライヴ録音 Andromeda)
年度末のドタバタもおさまってきて、今週はお昼に京響の五月定期のチケットを申し込んできました。ブルックナーの第5番なので二日続けて聴こうかと思いつつその頃にどんな状況かわからないのでいつも通り一日だけにしました。まだ二カ月くらい先なのにけっこう席は埋まっているので今後も要注意です(三月定期のマーラー第8番は発売後1時間くらいで二日とも完売だったので )。それにしても運動不足が警報レベル(健康診断の結果 ウッ)なので北山から烏丸御池まで歩いて帰ればちょうどいいんだと思いながらも早々に地下鉄のホームに急ぎました。
さて1953年のバイロイト・カイルベルトの指環はジークフリートが残っていました。メードルと若々しいヴィントガッセンはやっぱり素晴らしくて、1964年までの指環でこの年が一二を争う充実度じゃないかと思いました。それではメードルは若くないのかとなりそうで、二人の年齢は2歳しか違わず共にこの年アラフォーでした(ちなみにヴァルナイはメードルより6歳若いらしい)。しかしヴィントガッセンは聴いていると奔放でジークフリートそのものに思えてきます。第三幕のブリュンヒルデとの二重唱も疲れ知らずな歌いっぷりで、終演後は盛大な拍手と歓声が起こっていました。
三作目、ジークフリートのフィナーレからは指環があんな結末で幕を閉じるとは想像し難いものがあります。少なくとも次作でハーゲンの声を聴くまで、夜明けとラインの旅あたりまではそんな感じです。メードルとヴィントガッセンの陽性?な声からは特にそんな印象を受けます。一方でカイルベルトのテンポは所々でかなりはやいと実感するところがあり、第一幕のフィナーレ、「ジークフリート wohin」と連呼するあたりはたたみかけるような勢いです。そのわりに第三幕の終わりは比較的おとなしめです。
あらためて1953年のカイルベルト・指環を聴くと圧倒的な魅力なので、これまでは1956年のクナ・指環が一番じゃないかと思っていたのが揺らいでそれに並びます(1955年は高価なので聴いていない)。カイルベルトのジークフリートを聴いていると、四半世紀以上後のヤノフスキとシュターツカペレ・ドレスデンのセッション録音とどことなく似ているようにも思えて、その分歌手、歌唱がかなり変遷したのを痛感します。 あと、ミーメやアルベリヒ、さすらい人らも立派ですが、役について独自の思い入れがあれば違うキャストの方がいいとか色々あるはずです。
さて、かなりネタ切れになっていることもあり、今月はあと一回だけ更新して4月と5月のクレンペラー降誕日くらいまではこっちのブログは休館することにします。