シモーネ・ヤング 指揮
ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団
(2008年12月14-15日 ハンブルク,ライスハレ録音)
今日で11月が終わり今年もあと一カ月になりました。ともかく今日まで何とか無事に過ごせてありがたいことで、そう思いつつブルックナーの第8番のCDを何度かに分けて再生しました。ところで12月に天皇誕生日が来るようになってすっかり定着しました。今年は天皇陛下御自身による譲位に関する放送があり、波紋を呼びました。それ以前にも皇位継承について男系男子に限るのか、女性宮家を創設するのか等が問題になりました。昔のように、例えば後醍醐天皇とかのように何人も皇子が控えているような環境ではない(今後も簡単にはそうならないはず)ので、男系男子限定を主張する層は何らかの対策、対案を持っているはずです。戦前の旧宮家が復活したりとか、そうだとすればちょくちょくTVに出てるああいう人が含まれてくると思うと、現在の天皇陛下とあまりに開きあるように見えてしまいます。
交響曲第8番ハ短調・第1稿
第1楽章 Allegro moderato
第1楽章 Allegro moderato
第2楽章 Scherzo: Allegro moderato - Trio: Allegro moderato
第3楽章 Adagio Feierlich langsam, doch nicht schleppend
第4楽章 Finale: Feierlich, nicht schnell
細かい部分は列挙できないとしても、聴いていると通常の1890年稿との違いは所々で気が付きます。よく指摘されるように、どちらかと言えば第1稿の方が奔放で、自然な美しさにあふれています。特に第4楽章のコーダ部分は1890年稿よりも簡素で、個人的にはこっちの方に好感を持てます(クレンペラーも大幅にカットするくらいならいっそ第1稿で演奏すればよかった?)そのせいか第1稿による録音が徐々に増えていて、シモーネ・ヤングも全集にあたっては第1稿を選びました。インバルも新旧ともに第1稿で演奏しています。トラックタイム、演奏時間は下記の通りでこれらの中で最短のインバルと最長のギーレンでは20分も差が出ています。それはともかくとして、ヤングはやや短めの時間になっています。
~ 第8番第1稿の録音
ヤング・ハンブルクPO/2008年
①16分05②14分37③27分44④24分10計82分36
インバル・都SO/2010年
インバル・都SO/2010年
①14分55②13分52③25分11④21分05 計75分03
F.ウェルザー・メスト:CLO/2010年
①17分02②15分33③31分46④24分33 計88分54
ギーレン・SWRSO/2007年
①18分29②19分50③29分44④27分01 計95分04
ティントナー・アイルランド/1996年
①17分41②15分14③31分10④25分10 計88分15
全集の第1弾だったこのCDは新譜で出た時もけっこう注目され、レコード芸術誌・2009年10月号の月評で特選を得ていました(小石忠男、宇野功芳の両氏)。前半、特に第1楽章はやや荒っぽい印象(元々そういう作品とも言えそう)ですが、第3楽章が思いっきり滑らかなで神秘的に美しくなり、第4楽章も月評では「ねり絹ような」と評されているように、この曲らしい荘厳な空気がただよいます。それに個人的にあまり好きでない終楽章のコーダ部分も上品に終わっています。ヤングのブルックナーは第00、第0も含めて他の交響曲を過去記事で扱いましたが、最初の第8番が一番感動的だったかもしれません。ちなみに2010年までに発売された分ではシモーネ・ヤングのブルックナーは他に第3番(これも初期稿)が特選になっています。
ブルックナーは交響曲第8番の第1稿を一旦完成させてから、指揮者のヘルマン・レーヴィに楽譜を見せて良い反応ではなかったので改訂にかかり、これだけでなく交響曲第1-4番の四曲も改訂することになりました(第5~7番はそうではなかった)。そうするとこの第8番の第1稿は何か分岐点のようでもあり興味深いものがあります。
全集の第1弾だったこのCDは新譜で出た時もけっこう注目され、レコード芸術誌・2009年10月号の月評で特選を得ていました(小石忠男、宇野功芳の両氏)。前半、特に第1楽章はやや荒っぽい印象(元々そういう作品とも言えそう)ですが、第3楽章が思いっきり滑らかなで神秘的に美しくなり、第4楽章も月評では「ねり絹ような」と評されているように、この曲らしい荘厳な空気がただよいます。それに個人的にあまり好きでない終楽章のコーダ部分も上品に終わっています。ヤングのブルックナーは第00、第0も含めて他の交響曲を過去記事で扱いましたが、最初の第8番が一番感動的だったかもしれません。ちなみに2010年までに発売された分ではシモーネ・ヤングのブルックナーは他に第3番(これも初期稿)が特選になっています。
ブルックナーは交響曲第8番の第1稿を一旦完成させてから、指揮者のヘルマン・レーヴィに楽譜を見せて良い反応ではなかったので改訂にかかり、これだけでなく交響曲第1-4番の四曲も改訂することになりました(第5~7番はそうではなかった)。そうするとこの第8番の第1稿は何か分岐点のようでもあり興味深いものがあります。