ベートーヴェン 交響曲 第5番ハ短調 Op.67「運命」
ブルーノ・ワルター 指揮
コロンビア交響楽団
(1958年1月 ハリウッド 録音 sony)
今朝の通勤は車ではなく電車にしたところ、京阪本線の墨染か藤森駅で小学生の一個連隊が乗り込んできました。せっかく各停に乗って静かに行こうと思ったのにガッカリしましたが、そこそこ行儀が良くて、神経に障らない喧騒でした。おまけに私の小学生時代と比べて着ている服装が皆それなりに小奇麗で感心しました。通勤時間帯に電車に乗ってどこへ行くのかと思えば、京都市交響楽団の「小学生のための音楽鑑賞教室」を聴きに行くために北山の京都コンサートホールが行き先でした。10時過ぎからなら、もう少しずらせばいいのにと思いながら、同じ三条駅で降りました。詳しい曲目は知りませんが、運命とか言っていました。自分が小学生だった頃は、岡崎の京都会館第一ホールで、ケテルビーのペルシャの市場にて、ベートーベンのトルコ行進曲、モーツアルトのアイネ・クライネ・ナハトムジーク等でした。
運命というタイトルを聞いたところで、かつてラジカセにFM放送のワルター指揮、コロンビア交響楽団による同曲を録音(エア・チェック)した時を思いだしました。ちょうどこれから放送する直前に録音を思い立ち急いだため、使い方を間違い曲が始まってしばらくのところからしか録音できませんでした。特に第三楽章が優雅で気に入り、何度も再生していました。ソニーのクロム・テープに録れてツメを折り、保存するつもりでしたがやがて上書き録音してしまいました。
ワルター・コロンビアSO(1958年)
①06分21②10分47③05分47④09分34 計32分29
以下、クレンペラーのセッション録音
1955年12月・PO
①08分05②10分07③05分41④11分09 計35分02
1959年10月・PO
①05分55②11分11③06分13④13分17 計36分36
本当に久しぶりに聴いてみると、「ワルターとコロンビアSOなら田園」というイメージとはちょっと外れてなかなか重厚で、勇輝な演奏だったので驚きました。また、公式の演奏から引退した頃の演奏だとはとても思えない、覇気に満ちています。上記はこの録音のトラック・タイムと、ついでに同曲のクレンペラーによるセッション録音のタイムを列記してみました。リピートの問題もあって、特徴の差があるようで無いような微妙な時間です。
ワルターの録音の中で気に入っているのは、ニューヨーク・フィル(一部コロンビアSO)とモノラル録音したモーツアルトの交響曲、レクイエムで、その後のステレオ録音はちょっと印象が薄いと思っていました。しかしこれを聴いていると、少々端正になったかもしれませんが同じように奔放な魅力を感じます。
今週の昼間、やっつけ仕事をしている時BGMにそのワルターのニューヨーク時代のリハーサル音源を流していました。練習している曲がモーツアルトのリンツ交響曲で、有名な“ Sing out!” という大きな声が度々聞えました。不思議なもので、自分とは全然関係ないその声のおかげで滅入りがちな気分が幾分晴れる気がしました。上記のトラック・タイムからはワルターとクレンペラーの差は分かり難いですが、“ Sing out!” に象徴される何ものかが大きな違いのうような気がします。
なお、モノラル録音の際のコロンビア交響楽団と、ステレオ録音時のコロンビア交響楽団は日本語表記が同じでも実体は別で、前者はニューヨーク、後者はロスアンジェルスの団体ですが混同しがちです。
ところで京都コンサート・ホールで行われる「小学生のための音楽鑑賞教室」は、午前の部がと午後の部があり、ここ何日か連続開催されています。京響も先週金曜に定期を終えたところなのにフル操業です。それで、午前の部はおそらく正午前に終わるはずなので、小学生の昼食はどうなるのかと思いました。学校へ戻って給食なのか、手荷物を持ってなかったので弁当は持っていないからどこかで外食かもしれません。そうだとすればホール内のレストランには入り切れないので、どこで食べるのか余計なお世話ですが気がかりです。