今朝車の運転席に座り、車内にある温度計を見るとマイナス3度(摂氏)を表示していて、この冬の最低記録更新を確認しました。それでも霜が全く付着していなくて視界は良好でした(気分は良好ではない)。橋上や幹線道路沿道にも電光の気温計があり、それはマイナス2度だったので間違いない寒さです。明日から2月です。京都市から南部方面は下旬の、醍醐寺・通称五大力さんが済むまではまだ真冬です。
マーラー 交響曲 第6番 イ短調「悲劇的」
ジェイムス=レヴァイン 指揮 ロンドン交響楽団
(1978年2月 録音 Sony Classical )
昨年格安で復刻再発売されたレヴァインのマーラー交響曲選集からの1曲です。昨年は選集の中から最初に交響曲第9番を取り上げ、その演奏の素晴らしさに驚かされました。マーラー好きな方には周知の名演だったようで、HMVのサイトにも第5番が当初ベストセラーだったと書かれてありました。第9番の演奏は、個人的にクレンペラーの各楽章・演奏時間と似ている面があり、二重の喜びでした。クレンペラーは最初とその次のポスト(歌劇場の指揮者)をマーラーのおかげで得ることが出来たり、第2交響曲のピアノ版を編曲したりでマーラと交流があったにもかかわらず、第6交響曲を録音どころか演奏していません。第6番は特に好きな曲なので、もしクレンペラーが演奏していたらという観点からもこのレヴァイン指揮の録音は興味深いものがありました。レヴァインは、あのジョージ・セルのアシスタントをつとめていた時期もあり、そのセルはクレンペラーの後任としてストラスブールの劇場に指揮者に就任する際に、R.シュトラウスの仲介でクレンペラーと会い、その後ベルリン・クロールオペラのリハーサルを聴きに行っていました。
①22分38,②13分40,③15分06,④30分02 計:81分26
このCDのトラックタイムは上記の通りです。この曲はCD選集・10枚組で、第1~3楽章が1枚のCDに収まり、第4楽章が交響曲第3番の第1楽章と同じCDに入っています。全集、選集の場合はよくあるケースですが、第4楽章が終わってCDを止めるまでの間に第3楽章が始まればちょっと嫌な感じです。カーナビのHDや携帯用オーディオにファイル変換して転送する場合も悩ましいものです。
第1楽章冒頭は予想していたより柔らかく、弱めの音だったのが少々意外でした。オーケストラがロンドン交響楽団(このシリーズでは交響曲第1番もロンドンSO)なのも、フィラデルフィア管との演奏だった第9番と比べての印象の違いに影響しているかもしれません。それでも聴き進むうちに気にならなくなりました。この第6交響曲で一番強い印象だったのは第4楽章でした。曲の一番最後、一旦静まり返った後の強奏が、ともすれば曲の一部というより曲、演奏の外側にある物音や騒音のような断絶した印象を与えるのに対して、あくまで連続する曲の一部であることを強く印象付けるものでした。そのことが第4楽章の演奏の特徴をあらわしていると思えます。長大で複雑なこの楽章がとても魅力的な音楽に聴こえます。
先日取り上げたガリー=ベルティーニ・ケルン放送SOとのCDのトラックタイムは次の通りで、今回のレヴァイン盤より少し長い程度です。
①24分04,②13分33,③16分16,④29分22 計:83分15
一方下記は、これも印象深いテンシュテット・ロンドンPOの全集に含まれる演奏のトラックタイムで、レヴァインと比べて5分以上長くなっています。
①24分19,②13分00,③17分12,④32分35 計:87分07
下記はラトル盤のタラックタイムです。こうして比較すれば全般的に淡泊で流れて行く演奏に見えますが、聴いているとそうは思えず、念入りに楽譜を掘り起こしたような演奏でした。ラトル・バーミンガム市SOのマーラー第6番については、独特のリズミ感がある演奏とした評がありました。それに対して、レヴァイン盤は、従来のマーラーのイメージとあまりかい離しない、ゴツゴツした感触を残しています。これは録音、演奏している年代の違いも大きいと思いました。
①25分35,②16分53,③13分21,④30分34 計:86分23