ヴォルフガング・サヴァリッシュ 指揮
バイエルン国立管弦楽団
(1981年10月13,14日 ミュンヘン大学大ホール 録音 Orfeo)
先月、二月半ばに身内が救急搬送されて入院しましたが、総合病院は感染対策で面会停止措置を継続中のため、入院者側は荷物の受け渡し程度(買い物や支払いも)しかすることはありません(勝手な言い方をすれば、それはそれで助かります)。しかし病院側は大変で、看護師、薬剤師、リハビリ担当、清掃・ごみ回収、介護施設関連etc、入れ替わりに色々な人が出入りしています。ああ、そういえば訪問介護の報酬を引き下げるとか報道されていましたが、正当な業務に報いることをしなければサービスの質の前に量、人手不足さえ補えないのじゃないかとしみじみ思います。日曜日の午後に売店で使う小銭、病棟内を歩く際の上着等を届けにいくと、休日診療やら発熱外来に人が押し寄せていました。商売の原則なら需給が逼迫してこそうま味が出るとして、少しは医師も参入余地があるのじゃないかと。
先日の「影のない女」、「ばらの騎士」のオーケストラ、バイエルン国立歌劇場のオーケストラをサヴァリッシュが指揮してブルックナーの交響曲を何曲か録音していました。全部ではなかったはずで、第1番、第6番とひと昔前だったら珍しかった曲も録音していたので中古やらも含めて集めていました。過去記事では第9番を扱ったはずで、その時は今一つな印象だったので続けて取り上げる気が失せていました。今回の第6番は普通の第6番といった感じで、演奏時間の合計ではあまり突出していません。第9番のときも他の作曲家の交響曲演奏としては普通のスタイルと言えるかもしれませんが、それのことは置くとして、ヨッフムとかシュタインらと大差ない合計時間です。
サヴァリッシュ・バイエルン/1981年
①14分17②17分35③08分26④14分33 計54分51
先月、二月半ばに身内が救急搬送されて入院しましたが、総合病院は感染対策で面会停止措置を継続中のため、入院者側は荷物の受け渡し程度(買い物や支払いも)しかすることはありません(勝手な言い方をすれば、それはそれで助かります)。しかし病院側は大変で、看護師、薬剤師、リハビリ担当、清掃・ごみ回収、介護施設関連etc、入れ替わりに色々な人が出入りしています。ああ、そういえば訪問介護の報酬を引き下げるとか報道されていましたが、正当な業務に報いることをしなければサービスの質の前に量、人手不足さえ補えないのじゃないかとしみじみ思います。日曜日の午後に売店で使う小銭、病棟内を歩く際の上着等を届けにいくと、休日診療やら発熱外来に人が押し寄せていました。商売の原則なら需給が逼迫してこそうま味が出るとして、少しは医師も参入余地があるのじゃないかと。
先日の「影のない女」、「ばらの騎士」のオーケストラ、バイエルン国立歌劇場のオーケストラをサヴァリッシュが指揮してブルックナーの交響曲を何曲か録音していました。全部ではなかったはずで、第1番、第6番とひと昔前だったら珍しかった曲も録音していたので中古やらも含めて集めていました。過去記事では第9番を扱ったはずで、その時は今一つな印象だったので続けて取り上げる気が失せていました。今回の第6番は普通の第6番といった感じで、演奏時間の合計ではあまり突出していません。第9番のときも他の作曲家の交響曲演奏としては普通のスタイルと言えるかもしれませんが、それのことは置くとして、ヨッフムとかシュタインらと大差ない合計時間です。
サヴァリッシュ・バイエルン/1981年
①14分17②17分35③08分26④14分33 計54分51
カイルベルト・BPO/1963年
①17分06②14分40③08分46④15分18 計55分50
クレンペラー・ニューPO/1964年EMI
①17分02②14分42③09分23④13分48 計54分55
ヨッフム・バイエルン放送SO/1966年
①16分31②17分08③07分55④13分20 計54分54
ハイティンク・ACO/1970年
①15分16②17分25③07分51④13分27 計53分59
シュタイン・VPO/1972年
①16分42②16分10③08分06④13分43 計54分41
ヴァント・ケルンRSO/1976年
①15分35②15分04③08分45④13分39 計53分03
ヨッフム・SKD/1978年
①16分11②18分36③07分58④13分35 計56分20
改めて聴いてみると、第1楽章が開始部分からあっさりと、サクサクと進み、味気が無い程じゃないけれど少し意表をつかれます。ムーティがベルリン・フィルに客演した時のようなやたらとティンパニを強打しないのは良かったと思いました。この演奏は第2楽章のアダージョが格別で、月並みながら本当にうっとりする美しさです。続く第3楽章は極端に緩急の差が強調されずに、窮屈でもないのでバランスもよく感じられます。各楽章の演奏時間、楽章間のバランスをみるとクレンペラー、カイルベルトの第1、第2楽章の演奏時間は類似していて、順にそれぞれ17分少々と14分40程度ですが、サヴァリッシュは逆になり、第2楽章が17分半以上で第1楽章が14分台になっています。アダージョ楽章に時間をかけて歌わせるということかと思われ、ヨッフムも似た傾向ですが、サヴァリッシュ程は第1、2楽章の差は大きくなっていません。
録音場所が大学のホールとなっていて、これの影響なのかサヴァリッシュの他の録音より残響が目立って、鮮明さが後退しているような気もしました。CDのパッケージに載った寸評には、ブルックナーもシューベルトの後継になり得る証拠、明快な演奏、著しく新鮮という好評が並んでいました。これをみるとブルックナーを特別視して扱った演奏ではないというニュアンスのようで、これが日本で(も)サヴァリッシュが特別にブルックナー指揮者として騒がれなかった理由かもしれないと思いました。そもそもブルックナーだけに適性を示すようなことがあるのかも定かでなく、商業広告的な面も大きいと思います。クレンペラーあたりもベートーヴェンを指揮しても同じ傾向、緩徐楽章を速めにしてスケルツォ楽章を遅めに演奏していて、ヨッフムやカイルベルトのベートーヴェンも彼らがブルックナーを指揮する時のやり方と大して違わないのではと思います。
改めて聴いてみると、第1楽章が開始部分からあっさりと、サクサクと進み、味気が無い程じゃないけれど少し意表をつかれます。ムーティがベルリン・フィルに客演した時のようなやたらとティンパニを強打しないのは良かったと思いました。この演奏は第2楽章のアダージョが格別で、月並みながら本当にうっとりする美しさです。続く第3楽章は極端に緩急の差が強調されずに、窮屈でもないのでバランスもよく感じられます。各楽章の演奏時間、楽章間のバランスをみるとクレンペラー、カイルベルトの第1、第2楽章の演奏時間は類似していて、順にそれぞれ17分少々と14分40程度ですが、サヴァリッシュは逆になり、第2楽章が17分半以上で第1楽章が14分台になっています。アダージョ楽章に時間をかけて歌わせるということかと思われ、ヨッフムも似た傾向ですが、サヴァリッシュ程は第1、2楽章の差は大きくなっていません。
録音場所が大学のホールとなっていて、これの影響なのかサヴァリッシュの他の録音より残響が目立って、鮮明さが後退しているような気もしました。CDのパッケージに載った寸評には、ブルックナーもシューベルトの後継になり得る証拠、明快な演奏、著しく新鮮という好評が並んでいました。これをみるとブルックナーを特別視して扱った演奏ではないというニュアンスのようで、これが日本で(も)サヴァリッシュが特別にブルックナー指揮者として騒がれなかった理由かもしれないと思いました。そもそもブルックナーだけに適性を示すようなことがあるのかも定かでなく、商業広告的な面も大きいと思います。クレンペラーあたりもベートーヴェンを指揮しても同じ傾向、緩徐楽章を速めにしてスケルツォ楽章を遅めに演奏していて、ヨッフムやカイルベルトのベートーヴェンも彼らがブルックナーを指揮する時のやり方と大して違わないのではと思います。